埋没耳や折れ耳に対する早期治療と手術
矯正加療や手術加療のタイミング
生まれたての赤ちゃんの耳の軟骨は柔らかさがありますが、通常月齢や年齢が上がるにつれて、大人のような少し硬めの軟骨に変化していきます。
軟骨が柔らかいうちであれば、折れ耳や埋没耳などの変形はワイヤーやテープなどを使って、理想的な位置に固定を行うことである程度矯正することも可能です。また、できる限り早期から矯正を行うことで、矯正期間を短くできたり、手術を行わずに済む確率が上がるという報告もあります(Doft MA1 et; Plast Reconstr Surg. 2015 Mar;135(3):577e-583e.: The newborn butterfly project: a shortened treatment protocol for ear molding.)。 しかし、実際にワイヤーなどを用いてピッタリな矯正器具を作成することはとても難しく、時間をかけても思うような器具を作成できない事があります。 また、埋没した耳が強く引き込まれていたり、変形が高度な場合は、器具による矯正が著名な効果を認めない場合があります。そういった場合、やはり手術による治療が必要になる場合があります。
当院での矯正器具作成
この方法により、外来でのお子さんや保護者の負担はかなり軽減することができ、良好な矯正治療を行うことができます。
ただし、矯正器具の日々の付け外しや、器具が外れないようにテープで固定するなどの処置を行って頂く必要があり、ご家族の協力が必要な治療となります。
1–2歳を超えると矯正加療のみでは変形が戻らない事が多くなってきます。その場合には手術加療を行いますが、軟骨の変形に応じて皮膚の過不足がある事が多く、軟骨の修正と共に皮弁法(皮膚を移動させて過不足を補う)を用います。皮弁法は多くの術式が報告されており、それぞれの耳の変形に応じて選択する必要があります。
当院では、上記の3Dモデルを用いて術前にシミュレーションを行う事で、最も適切な方法を選択できるような取り組みも行っております。
実際の3Dモデル
手でも変形できる素材で印刷する事によりあらかじめ矯正器具を作成することなどができます。
当院では、耳矯正の専門家である柘植先生が外来を行っています。まずは、第4金曜日午後の岡外来を受診いただき、耳の写真撮影を行い、その次に柘植先生の外来受診となります。