軟部腫瘍(脂肪種や肉腫)の外来
その軟部腫瘍は脂肪腫ですか?
脂肪細胞が増殖する脂肪腫は形成外科医が最もよく扱う軟部腫瘍です。首の後ろや背中などに多く発生しますが、体中どこにでも発生する可能性があります。ただ、臨床的には脂肪腫と思われていても、中には全く違う種類であったり、’悪性’のものも含まれており治療方法も異なります。触診、超音波検査、CT検査、MRI検査などを行い、診断を確定させる必要があります。
まずは担当医師にご相談下さい。(水曜、金曜外来)
良性】脂肪腫、血管腫、平滑筋種、神経鞘腫、骨腫など
悪性】脂肪肉腫、滑膜肉腫、横紋筋肉腫、軟骨肉腫、粘液線維肉腫など
悪性の軟部腫瘍かどうかの診断
とくに軟部腫瘍では画像検査(超音波、CT特にMRI)が大切な所見になります。悪性腫瘍の可能性があれば局所麻酔をして超音波を使いながら生検(細胞や組織の一部を取る)を行い診断していきます。これでも確定診断できない場合や強く悪性を疑わない場合には腫瘍の一部もしくは全てを切除する手術をした上で最終的に診断をつけます。
悪性腫瘍の治療は
悪性腫瘍は十分に(大きく)切除されることが必要で、ときに放射線治療や化学療法(抗がん剤)などの追加治療を要します。また切除した体の箇所には大きな穴をあけることになりますが、可能な限り元どおりの日常生活に戻れるように配慮した再建術(穴を塞ぐ手術)をします。
軟部悪性腫瘍は比較的稀な病気です。しかし、軟部悪性腫瘍は痛みなどの自覚症状に乏しいことが多く、また日常生活上で見た目の問題を呈さないことがほとんどなので、患者さんは腫瘍が非常に大きくなってから受診をされることが少なくありません。早期に発見すること、そして適切な治療計画を立て再発や転移を予防することが大切になります。
迷ったらまずは相談して下さい
‘できもの’がどこから発生して、良いものなのか、悪いものなのかを調べることが大切です。不必要な治療を強いられることのないよう、患者さんに十分な説明を致します。納得の上で、一緒に治療していきましょう。
(以下のような所見があれば受診して下さい。)
- 皮膚にできものがある
- 体の一部が赤くないのに’腫れている’(右と左で違う)
- 腫れた皮膚に、周りにはない血管が浮いている
- 赤みがないのに触れて痛い
通常の診察は「ほくろ・粉瘤・脂肪腫外来」を受診ください。
他院で悪性の疑いを指摘された方は、「軟部悪性腫瘍外来」を受診ください。