顔面骨骨折の治療についてQ&A
Q.骨折って整形外科じゃないの?
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A. 顔面骨(がんめんこつ)骨折とは次の通り、「顔」の骨の骨折です。具体的には、「前頭骨骨折」「眼窩底骨折」「鼻骨骨折」「頬骨骨折」「上顎骨骨折」「下顎骨骨折」などがあります。 - 「顔」は整容性がとても重要なことに加えて、骨格・表情・眼の動き・咀嚼など、様々な機能性の問題も生じます。したがって、治療する診療科は機能と整容の両方を治療する「顔」の専門家である必要があります。そのため、骨折と言っても整形外科ではなく、「顔」だけは形成外科が治療を行います。
Q.どんな検査をするんですか?
- A. 骨折の場所を精査するために、まずはレントゲンやCTを撮影する場合が多いです。小児の場合は慎重に適応を見極めてから撮影します。
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Q.どんな治療をするんですか?
A.骨折した部分によって変わって来ます。下の図を使って説明しますね。
- 前頭骨(緑):整容性に大きく関わってきます。凹みが強い場合は、プレート(骨をとめるチタン製の小さい板)を使って骨折部分を固定します。
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- 眼窩底(黄):眼球を支えている骨です。複視(物が二重に見える)、眼球運動障害、眼球の陥凹が生じます。特に、強い疼痛がある場合や眼の動きが悪い場合では緊急手術になる場合がありますので、お早めにお問い合わせ下さい。
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- 鼻骨(オレンジ):整容性に大きく関わります。超音波検査で確認しながら、骨折部位を整復します。鼻骨骨折の場合は、局所麻酔で施術する場合もあります。
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頬骨(ピンク):凹み・頰の痺れが強い場合、口が開かない場合は、手術をします。
上顎骨(水色):歯の骨折を伴う場合があります。プレート固定及び顎を針金で固定する場合があります。
下顎骨(赤):口が開けづらかったり、歯の噛み合わせおかしいといった症状がでます。プレート固定及び顎を針金で固定する可能性が高いです。退院後も大体3週間くらい針金で固定します。食事も暫くは柔らかい物のみとなります。
Q.プレートって何ですか?
A.プレート(板)とは骨と骨を固定する板で、骨に穴を開けてスクリュー(ねじ)で固定致します。吸収性のプレート・スクリューと、金属製(チタン)の物があります。吸収性のプレート・スクリューは、加水分解され生体にゆっくりと吸収されていきます。
プレートとスクリューの大きさや、吸収性を選ぶか非吸収性を選ぶかは、場所や骨折の度合いによって変わって来ます。金属製のプレートは後日抜去するために、もう一度手術する場合があります。
様々なプレートの一例↓
Q.他に注意することはありますか?
A.顔面骨の骨折には、頭蓋内(頭の中)の外傷が関わってくる場合があります。気分不良やめまい、吐き気などの症状を感じたら脳神経外科の受診も必要になって来ますので注意して下さい。