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形成外科

多指症(多趾症)・合指症(合趾症)の手術

合指症の手術

 1歳前後で手術を行います。隣同士のついた指の間を作ることが、手術の基本となります。指の側面には、血管や神経が走行しているので、切るときには細心の注意が必要です。
 指の間の皮膚は、局所皮弁といって近くの皮膚で補うように覆います。局所皮弁で覆いきれない部分は足の付け根や、内くるぶしの皮膚をとって、指の間に移植する植皮術を行います。骨も癒合している場合は、骨を切り分けて、表面を脂肪や皮膚の組織で覆う必要があります。術後の拘縮が起きないようにジクザグ状に縫い合わせて、指の動きに制限が出ないようにする工夫をします。
 体の成長に伴い、指が曲げにくい、伸ばしにくいといった拘縮という症状が見られる場合があります。成長した年齢で、拘縮を解除する手術を追加で行うこともあります。

合趾症の手術

 手術は1歳前後で行います。まだ歩行していない年齢の方が、術後の安静が保ちやすいですが、体が小さいと全身麻酔の負担が大きく、手術手技はより細かな作業とります。
 日本人は第2・3趾(人差し指・中指)の合趾が多く見られます。手術方法は、ゆびの間の底を指の背部の皮膚で覆い、ゆびの側面は植皮を行う方法が一般的です。
 当院では、ゆびの結合が第1関節を超えない合趾症については、植皮を用いない局所皮弁の方法(Chair flap)を開発しました。できる限り患者さんの負担を少なくできるよう取り組んでいます。
 合趾症手術

多指症(母指多指症)の手術

 指の重複の程度は様々です。小さな皮膚が余剰に親指の横に付着しているだけのものから、複数ある親指に骨や腱が見られるものまであります。日本人に多く見られる、母指多指症はWassel分類で分類されます。
 余剰指が皮膚のみの場合は、皮膚を切って血管が見られる場合は血管を結紮して、余剰な指を切除します。
 余剰指に骨が見られる場合は、付着している腱を、親指に縫い付けます。術後の安静と、リハビリが必要となります。
  多指症手術

手術の流れ(入院〜退院まで)

治療をご希望の方は、月・火・水・金の午前中、先天異常外来までお越しください。

 当院では月曜日に入院し、麻酔科医師の診察を受けていただきます。翌日の火曜日に全身麻酔の手術を行います。手術後は、安静を保つために、整形外科で用いるようなシーネで腕や足を固定します。翌日から傷口の様子を確認させていただきます。
 通常、合指(趾)症の局所皮弁と多指症の場合は、基本的に約1週間の入院です。
 合指(趾)症で植皮術を併用する場合には、植皮の生着まで1週間は、じっと安静を保つ必要があります。手術から1週間後の火曜日にガーゼを外して、皮膚がついているか確認します。その後は軟膏処置を行います。入院は合計約2週間の予定となります。
 退院から、抜糸までの間は、ご自宅で傷の処置を行っていただきます。入院中に傷の処置の方法は、練習していただきます。手術後、7〜14日目に外来で抜糸を行います。
 術後の経過によっては、入院期間が延長する場合があります。

   入院経過    


詳しくは、「先天異常外来」にご来院ください。

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