主な研究内容
研究は病理学の醍醐味であり、種々の対象で行われています。人体病理学的研究は、腎臓、肺臓、心臓の病理を中心とし、さらに移植病理、眼病理、婦人科病理、泌尿器科病理、消化器病理、結合組織病理に及んでいます。炎症の傷害・修復機転、臓器の線維化機序、病変の形成や進展機構について、血管・リンパ管・結合織の関わりや酸化ストレス、アポトーシスの病態にも着目し、病理学的解析を基盤に広く研究を進めています。
これらの研究過程で解決困難なテーマは、実験病理学、細胞培養などを実施しています。正常および病的な機能動態をも含めた疾病概念のとらえかたを指向しており、電子顕微鏡、免疫組織化学、分子病理学、画像解析、共焦点レーザー顕微鏡、マイクロダイゼクションとリアルタイムPCR、マイクロアレイ、質量分析などを用いて病理所見と機能、遺伝子や蛋白の発現の変化を検討しています。また培養細胞や動物モデルを用いターゲット因子の機能抑制、過剰発現実験を行い、病態への関与を解析し、病気の発症機序や進展機構を明らかにしています。各研究者と技術員が、チームを作って研究するスタイルを取り入れ、高度な分子病理学的技術は、PhD の特殊技能により遂行しています。研究内容からみた当教室の特色は、糸球体疾患および間質性肺炎に関する分野にみられ、これらの分野における主導的存在として認められています。また、学外、国外の研究者との共同研究も積極的に行っており、国外、国内からの留学生も在籍し研究しています。