分野 (教室) の概要
当教室では、大学の教室の大きな役割である研究に最も力を入れている。厚生労働省の研究補助金、研究費を受け、文部科学省の科学研究費も多くの教室員が取得している。
研究の内容も多岐に亘っているが、特に鼻アレルギーに関しては、その発症機序に関する分子生物学的研究をはじめ多くの基礎的、臨床的研究が推進され、舌下免疫療法の臨床研究では日本をリードしている。また、平衡覚の生理的研究(眼球運動の三次元解析、身体動揺分析)、聴覚生理(難聴や耳鳴)や内耳免疫(メニエール病や遅発性内リンパ水腫の原因解明)に関する研究を積極的に進めている。頭頸部腫瘍領域では、腫瘍増殖に関する基礎的研究とともに、頭頸部癌患者の社会医学的臨床研究が行われている。嚥下・音声・言語医学についても、臨床的、基礎的研究を進めている。
耳鼻咽喉科全般について広く診療を行っているが、中でも耳科学、神経耳科学、鼻アレルギーを中心にした鼻科学、頭頸部外科学、音声・嚥下医学を得意にしている。
耳科学では、聴力改善手術としての鼓室形成術や耳硬化症に対するアブミ骨手術、さらに高度難聴者を対象にした人工内耳の手術などが行われている。
神経耳科学では、メマイ、耳鳴、顔面神経麻痺を中心にした外来を行い、手術としては外リンパ瘻に対する瘻孔閉鎖術、顔面神経麻痺に対する顔面神経減荷術などが行われている。
鼻科学では、鼻アレルギー外来での検査や治療(アレルゲン免疫療法)が行われ、舌下中含めて治療効果をあげている。鼻アレルギーの外科的治療や内視鏡による副鼻腔炎手術も積極的に行われ、負担が少なく効果的な治療になっている。
頭頸部外科領域では、頭頸部悪性腫瘍の手術が積極的に行われている。手術で生じた欠損は形態的・機能的に、再建する手術が多く行われ、良好な成績を上げている。
音声・嚥下障害に関しても、その機能評価やリハビリに取り組んでおり、多くの成果が上がっている。