内科学(神経内科学)
内科学(神経内科学)/神経内科学 木村 和美 大学院教授 |
神経内科学は神経総論に始まり、各論では脳血管障害を始め、アルツハイマー病に代表される認知症、パーキンソン病、脊髄小脳変性症 等の変性疾患、皮膚筋炎・多発性筋炎等の筋疾患、ギランバレー症候群を始めとする末梢神経障害、中枢神経系感染症およびてんかん・頭痛 等の機能性疾患と大変公汎かつ多岐に渡る分野であります。
したがって、医学生および研修医にとっては、神経内科学は覚えることが多く勉強の方法が難しいものと捉えられています。当科での神経内科研修は、単なる知識の羅列ではなく、病態にそって理解することにより記憶を確実なものにし、臨床の現場で利用可能な実践的な能力の習得を目標とします。
また、当科では神経疾患の中では最も多い脳卒中の診断・治療に力を注いでおります。脳卒中は年間約30万人が発症し、そのうちの7割が脳梗塞であり、脳梗塞では発症から4.5時間以内に血栓溶解薬の適応となる症例において血栓溶解薬rt-PAの投与や血管内治療が行われます。その診断・治療は迅速で高度の専門性が求められます。当科では平成17年5月より脳卒中専門ユニット(Stroke Care Unit:SCU)が設立され、脳卒中専門医が診断・治療に当って治療の向上を図っております。
脳卒中の診断治療は救急医療であり、分を争って診断し治療することが求められています。脳卒中を含めた神経救急に充分対応できる能力がつく研修を行なっています。
脳卒中の基礎疾患には、高血圧・糖尿病・脂質異常症といった生活習慣病が挙げられますが、こういった一般内科の診断・治療能力を磨くことも重要となります。神経内科専門医・脳卒中専門医を取得する過程において内科全般を学んで内科認定医を取得します。