リハビリテーション学
リハビリテーション学 青柳 陽一郎 大学院教授 |
2020年10月にリハビリテーション学の教授に就任いたしました青柳陽一郎と申します。日本医科大学リハビリテーション学は2013年に始まった新しい教室です。日本医科大学リハビリテーション部門は、最先端のリハビリテーション医学研究を行い、最高のリハビリテーション医療を生み出し、それを実践し、そして普及することを使命としています。
私は新分野のリハビリテーション医学に興味を持ち、リハビリテーション科一筋で邁進してきました。リハビリテーション医学は進歩を重ね、対象領域は物理医学、肢体不自由、運動障害から、中枢疾患を含めた多岐にわたる疾患に拡大し、今や嚥下障害、疼痛、呼吸循環障害、悪性腫瘍の合併症など多岐にわたる障害を扱う臨床医学です。リハビリテーション医学のキーワードは「機能回復」「障害克服」「活動を育む」に集約されます。他科とは一線を画すユニークな学問でありながら、最も多くの診療科と連携する普遍的な領域です。
入院患者への早期リハビリテーション医療を実践することにより、医療の質の向上、患者のQOL向上に貢献しています。高頻度に遭遇する脳梗塞などの急性期疾患では、診療科横断的に協同して、超急性期より多職種でリスク管理のもと、包括的リハビリテーションプログラムを提供できる体制を構築し、回復期リハビリテーション病院と有機的に連携しています。
また疾患に関わらず、嚥下機能評価(嚥下内視鏡検査、嚥下造影検査、嚥下マノメトリー、嚥下筋電図、インピーダンス検査)、神経生理検査(神経伝導検査、針筋電図、誘発電位)、運動耐容能検査、三次元動作分析、高次脳機能検査を駆使し、先端的な障害評価を行える環境を整備しています。リハビリテーションロボットや最新装具による上肢機能訓練・歩行訓練、摂食嚥下障害の詳細病態解析と包括的アプローチ、三次元トレッドミル歩行分析に基づいた歩行障害プログラム、末梢・中枢磁気刺激による評価や治療、痙縮の定量的評価とボツリヌス療法など、世界をリードする先進的なリハビリテーション医療を展開したいと考えております。