分野 (教室) の概要
コース講義は、座学が中心であるが、その中で、体験的実習も工夫して取り入れている。内容は病院前救護や災害医療などの救急医学の社会的側面(emergency medicine)と脳蘇生学、外傷学(頭頸部、体幹、四肢骨盤、熱傷など)、中毒学、集中治療学(呼吸循環、脳神経、血液浄化など)など救命医療(critical care)です。
臨床実習(クリニカルクラークシップ)は3~4人を1グループとして付属4病院の救命救急センター内で病棟実習が行われている。学生は各々主治医グループに配属され、担当患者の病態を学習している。
・行動目標
1年目の初期研修医は救急を3ヶ月研修することが義務化されているが、例えば付属病院では三次救急医療を対象とした高度救命救急センターでの研修はもちろん、総合診療センターと連携し、初期・二次救急患者の初期診療を研修できるプログラムを作成している。このようなプログラムから軽症から重症、common diseaseから重症患者までの治療や管理の研修が可能で、初期研修医が研修すべき疾患や病態、手技を経験することが可能です。研修期間内には毎朝の症例検討の中で、外傷や中毒などの外因性疾患、循環器疾患、呼吸器疾患、消化器疾患、神経疾患など内因性疾患の救急患者のほかに特殊感染症などを経験することで治療の理解を深め、心肺停止症例の心肺蘇生術等の知識と手技を習得します。また、2015年9月に付属病院高度救命救急センターで研修した初期研修医の中には前述の鬼怒川堤防決壊による医療支援活動に参加する機会を得ることができました。
一般社団法人日本救急医学会に登録しているプログラムに則って専修医教育を行っている。具体的には以下のような行動目標と指導方針を有していいます。
・行動目標
・指導方針
初期研修医が終了すると日本救急医学会救急科専門医(卒後5年)、指導医(卒後10年)取得を目標に研鑽することになります。その間、大学院に進学し基礎医学、臨床医学で研究活動にかかわることも奨励しています。大学院では主として当分野が持っている様々な実験系から、生体反応とその制御、管理、それにかかわる遺伝子の役割などのミクロ的視野から心肺脳蘇生、病院前救護やメディカルコントロールなど救急医療行政にかかわる社会医学までを研究できる体制が整備されています。
また、新専門医制度に移行する救急科専門医の取得を基本に、個人のサブスペシャリティーに該当する外科、脳神経外科、集中治療、外傷、中毒、熱傷、脳卒中などの関連学会専門医取得の教育プログラムを有しています。
同時に文部科学省、厚生労働省などの競争的資金を獲得するような質の高い研究を行うことも推奨しています。そのために国内外での学会発表や留学も積極的に行っています。