薬理学
薬理学 荒川 亮介 大学院教授 |
教育の目標は、臨床で遭遇する膨大な数の薬物に対して、理論的、体系的に対応できる基礎力を身につけてもらうことです。近年、分子生物学、生理学等の進歩によって、薬物の作用機構が詳細に説明できるようになりました。これらの領域の最新情報を出来る限り取り入れて、分子から個体レベルまで、薬物作用の発現過程を論理的に辿って講義するようにしています。実習では、実際に自らの手で調べ、考え、纏め、レポート等を通して報告するという主体的な課題をとりいれています。また、学生が興味をもったテーマについて文献を調べ、実験する研究配属カリキュラムがあります。こうした自主的な学修の場を提供し、生体と薬物の相互作用について理解を深めてもらいたいと考えています。さらに薬理学は薬害・ドーピング問題などの社会医学、臨床薬理学、薬物治療学など広範囲の分野を含んでいますので、関連する分野とも連携して包括的な薬理学教育を目指しています。
卒後教育ではさらに薬理学の研究領域全体を俯瞰しながら考えられるように、幅広い知識を身につけ、さまざまな研究手法を駆使して研究できる教育体制を心がけています。しかしながら、知識も技術も日進月歩で更新されます。したがって、研究課題に対して、どのように問題設定し、解決する方法を見つけていくかという問題解決能力を自ら養うことが最も大切だと思います。実際の研究内容について議論しながら、そうした思考法を互いに磨いていきたいと考えています。