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神経障害性疼痛に重要なマイクロRNAクラスターを同定
―疼痛治療に対する核酸医薬への期待-

2017年7月5日
日本医科大学

【要旨】

 日本医科大学大学院医学研究科薬理学分野の坂井敦講師と同鈴木秀典大学院教授らによる共同研究チームは、神経障害性疼痛の主要因の1つである電位依存性カリウムチャネルの調節異常に関わるマイクロRNAクラスター(注1, 2)miR-17-92を同定しました。本研究成果は臨床上の大きな課題の1つである神経障害性疼痛の発症メカニズムの一端を明らかにすると共に、核酸医薬による電位依存性カリウムチャネルを標的とした治療戦略の開発に寄与することが期待されます。
 本研究成果は、平成29年7月5日に英国のオンライン科学誌Nature Communicationsに掲載されました。

【補足説明】

(注1)マイクロRNA
タンパクへと翻訳されずに機能を有するRNAの1種。ゲノムから転写により作られたプリマイクロRNAが酵素反応により段階的な切断を受けることで20塩基程の長さの成熟マイクロRNAとなる。この成熟マイクロRNAが塩基配列特異的にmRNAと結合することにより、そのmRNAがタンパクへと翻訳される過程を抑制する。
(注2)マイクロRNAクラスター
ゲノム上の限られた範囲に集まっているマイクロRNAのこと。複数のマイクロRNAが協同で働くことにより、単独で存在するマイクロRNAよりも大きい影響を遺伝子発現に対して及ぼしうる。

プレスリリース全文(PDF)