第3学年 基礎医学~臨床医学
微生物学免疫学 | 「免疫システム」の概要を学習するとともに、リンパ球など「免疫システム」を構成する要素の個々の働きおよびそれらの相互作用について理解し、人体に内在する疾病と闘う力、すなわち「生体防御システム」への認識を深める。またウイルス・細菌・寄生虫など、こうした防御システムにより認識・排除される様々な微生物群を、それぞれの特徴ならびに腫瘍や自己免疫疾患などそれらが誘発する疾病との関連において学習し、感染症学・腫瘍学・アレルギー膠原病学への布石とする。 |
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薬理学 | 基本的な薬物を通して薬物と生体との相互作用の結果起こる生体現象を学び、薬物治療の薬理学的基盤を理解する。動物実験および臨床試験の進め方やデータの読み方を学ぶことによって正しい薬効評価が出来る能力を養う。また薬害の発生に対し、その医学的および社会的問題性を認識し早期に対処することの重要性を理解する。 |
病理学総論 (解析人体病理学、統御機構・腫瘍学) |
生命現象の異常状態下での表現である各種疾病について、その原因、発症、進展の様相、転機を諸系統、各種臓器、組織、細胞、およびそれを取りまく諸構成要素などの形態的変化、機能的変化の両面から理解し、さらに疾患に対する治療効果などについても理解することを目的としている。 |
衛生学 公衆衛生学 |
衛生学は、いわゆる健常者(主体)集団を対象に、その生活環境の管理、主体と環境との相互作用の検出と評価、健康の保持増進、および疾病の一次・二次および三次予防活動を行うための、知識・技術の体系である。時代とともに、衛生学の守備範囲は変化し、健康障害要因として、物理的・化学的・生物学的環境諸要因と主体との関係を評価する手法も変わっていくものであるが、健康障害発症メカニズムを明らかにしていくための基礎的アプローチを講義および実習で修得していく。 加えて、モデルコアカリキュラムを踏まえた公衆衛生学の諸範囲を系統的に学習する。 |
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法医学 |
法医学は「法律に関係のある医学的問題を研究し応用する医学部門」であり、基礎医学ではなく、社会医学に属し、具体的問題を対象として社会活動をしなければならない立場にある。 一方、臨床医は、法医学の専門家以上に、法医学的問題を日常取り扱っていることは間違いないところである。したがって、法治国家における臨床医は全て法医(Forensic pathologist, Medicolegist) でもあるべきである。 そこで、法医学の講義・実習を通して、医師として必要な法医学的知識、思考方法を理解し、将来、死体検案などの場面だけでなく、日常の診療などにおいても応用可能な問題解決能力を身につけることを目標とする。 |
臨床医学総論 | 1) 「患者」とは誰か、「医師」とは誰か、「医療」とは何か、を考える。 2) 「良い医療」、「良い医師」とは何か、を患者や他の職種、社会の視点から学ぶ。 3) 臨床での共同の意志決定過程「患者中心医療マネジメント」の考え方を理解する。 4) 病院や診療所など、「医療をささえるシステム」の全体像を知る。 5) 基礎や臨床の「要素技術や知識」と臨床過程との関係を学ぶ。 |
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循環器 |
循環器疾患を理解するには各疾患における明確な理論的構築が不可欠であり、適切な治療を行うには病態生理を正確に理解する必要がある。 現在、循環器疾患の診断・治療は循環器内科、心臓血管外科などの診療科に分かれて行われている。 しかし、臨床医学教育においては、そのような垣根は効率的な学習の妨げになる。このコースでは循環器系を一つの大きなカテゴリーとして捉え、その構造、機能、病態、治療に関し、総合的視野に立って知識を習得することを目標とする。 |
消化器 |
臨床医学の中で、消化器病は極めて広い分野を占める。消化器病の正確な知識を習得することは臨床医学に携わる医師として必須である。 上部消化管・下部消化管疾患および肝臓、胆道、膵疾患の学習目標について述べる。消化器の構造、 機能の理解はもとより、消化器疾患に関連する背景病変を知ることが消化器病学および消化器病臨床を学ぶ上で極めて重要である。 最新の消化器病の医療は分子生物学の進歩によるところが多い。食道・胃・十二指腸疾患と細菌(ヘリコバクター・ピロリ)との関連が知られるようになり、疾患概念が激変していることを理解する。 ウイルスが原因でひきおこされる肝炎とその後の病態について解析がすすみ、治療に応用されている。 さらに、大腸ポリポーシス・大腸癌における遺伝子変異についても学ぶ必要がある。 加えて、消化器慢性疾患はもとより急性腹症に代表される腹部救急疾患、特に腸閉塞についてもその病態と治療を学ぶ。 消化器悪性疾患に対する最新の診断技術法、治療法(外科手術、IVR、内視鏡治療、放射線治療)を学び、理解する。 消化器病学を学ぶにあたっては、これまでの内科、外科の領域を越え、正常解剖、組織像と対比することにより、病的状態の肉眼像、組織像の相違を理解し、形態学的診断の基礎を学ぶ。次に各々の病変の発生病理を学ぶ。形態学では肉眼的特徴、組織学的特徴に加え、臨床との関連事項について言及し、 臨床医学へのアプローチを試みる。 |
呼吸器 |
呼吸器病学では全般に、疾患の発生機序に関する充分な理解とともに、それぞれの疾患がいかに患者に作用し症状を発現させるかを深く分析する力が求められている。このような視点に立脚し呼吸器病学を理解するよう努める。 呼吸器病学総論、各論、症例検討について講義を行うが、具体的には、個々の講義で呼吸器の構造や働き(呼吸器の生理学や病理学)、診断・治療に関する知識を深めながら、個々の疾患を理解し、最終的には呼吸器病学を体系的に捉えられる力を会得することが目標である。 |
神経 | 本コースの目標は、神経系の構造や機能について知り、その異常によって生ずる症状や徴候を学び、またその異常を惹き起こす神経疾患について知識を得ることである。 |
救急と生体管理 | 救急医学は医の原点であるといわれ、また一方では応用医学とも言われている。主な領域は、外傷、 熱傷、中毒などの外因性疾患やショック、多臓器不全、蘇生などやそれらが原因とする生体反応の解明である。既存の外科や内科などの臨床医学や病理学、生化学、法医学などの基礎医学を横断的に包括する学問体系を有する。また、すべての救急疾患に対して緊急時の診断そして迅速な治療が要求されるので、習得すべき知識や技術が多岐にわたっている。しかも重症患者や来院時心肺停止患者に対する診断・ 治療を瞬時に決定する必要があり、それらに対する病態の把握、知識の習得も不可欠である。上記のテーマに加えて実社会のニーズに対応するため、救急医療システム、プレホスピタルケア、災害医学、脳死と臓器移植、災害医療などに関する知識も習得する必要がある。 |
放射線医学 |
放射線医学各分野の知識の習得 1) 放射線障害防止、安全管理 2) 放射線解剖と画像診断 3) Interventional Radiology 4) 放射線腫瘍学 5) 核医学 6) 放射線生物学、放射線物理学 |