大学院医学研究科長のご挨拶
大学院医学研究科長 清家 正博
大学院医学研究科長
清家 正博
多様化する社会・医療ニーズに応える国際的視野と人間性を兼ね備えた医学者の育成
令和7年4月1日付で大学院研究科長を拝命いたしました清家正博です。私は平成4年に日本医科大学を卒業し、令和4年より呼吸器内科学分野(現呼吸器・腫瘍内科学分野)の大学院教授として、診療・教育・研究に尽力してまいりました。今後は、より広い視野を持ち、本学のさらなる発展および社会貢献に尽力してまいります。
本学大学院は、「愛と研究心を有する質の高い医師・医学者の育成」という教育理念のもと、最高水準の研究・教育部門として医学研究の推進と発展、高度専門医療人の育成に貢献し、次世代の医学・医療を牽引する多くの若手研究者を輩出してきました。
平成13年度には、私立医科大学として初めて大学院重点化を宣言し、その後も重点的な整備を継続しています。平成28年度には、学問分野を超えた高度化・多様化する医療に対応するため、従来の46分野・6専攻を3つの研究領域からなる1専攻へと再編しました。これに伴い、習得単位には共通科目を増設し、体系的なコースワークを拡充しました。また、社会人選抜制度を整備し、医学研究への門戸を広げています。さらに、東京理科大学や早稲田大学と学術協定を締結し、医理工分野の連携による次世代の医療科学技術創出を積極的に推進しています。専門人材育成に関しては、平成29年度より文部科学省の「がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン」に参画し、オンライン教育の体制整備を進めるとともに、将来のがん医療や研究を担う人材の育成にも力を入れています。変革を遂げる国際化に対応するため、国際交流センターを窓口として、アジア各国の協定校から毎年大学院生や若手研究者を広く受け入れ、若手研究者の海外留学支援を積極的に行っています。新型コロナウイルス感染症の影響で中断していた国際交流も再開し、活性化が図られています。
研究施設に関しては、平成19年度に基礎医学大学院棟を完成させ、研究環境の充実を図りました。平成28年度には7つの共同研究室を「共同研究施設」として一元化し、その後、千葉北総病院臨床研究室を加えることで、大学院生への実質的な教育体制を強化しました。
近年、国内外の社会情勢の急激な変化や働き方改革などが進む中、医学・医療の立ち位置にも変革が見られています。医療者には、広範な医学知識に加え、豊かな人間性、国際性、高い倫理観が求められます。本学大学院は、このような多様な社会・医療ニーズに応えるため、創薬につながる研究成果の創出に加え、国際的視野を持ち卓越した医学知識と研究能力を備えた次世代の医学者・医療人の育成を使命としています。
本学は開校以来、自由な校風のもとで領域・分野横断的に有機的な研究活動を行う土壌があり、私立大学戦略的研究基盤形成支援事業などの大型公的研究費を獲得しながら、多様な研究成果を生み出してきました。
今後も本学大学院は、豊かな人間性を備え、研究意欲に満ち、国際的視野を持ち、社会貢献に積極的な学生に対して広く門戸を開き、質の高い医学研究者および医師の育成に努めてまいります。