診療内容
“がん”という忌々しい響きの病気ですが、皮膚癌は早期癌であることが多く単純に切除することで根治させることができます。しかし進行癌であった場合には、画像や生検検査で病気の拡がりを確認し、手術に加えた補助療法(放射線療法や化学療法)を行うことがあります。患ってしまった皮膚(ひふ)軟部(ひふの下)の悪性腫瘍に対して、患者さんが適切な診断と治療を受けられスムーズな社会復帰をして頂くため、最善の治療を多科共同で行う『集学的治療』を実施しています。
【4科にまたがる診療体制】
<皮膚科> 皮膚がんセンター紹介状持参患者さんは、まず皮膚科を受診して頂きます。ダーモスコピーという拡大鏡や生検検査でがんと診断され、外科的治療を要する場合は次に形成外科桑原医師の診察へ。
<形成外科> がんの切除や再建術を行います。必要に応じてセンチネルリンパ節生検やリンパ節郭清を行います。機能的また整容的に満足のいく結果を享受して頂けるよう努めます。
<腫瘍内科> 近年の腫瘍免疫学の観点から皮膚癌に適応のある化学療法が増えてきました。また従来の抗がん剤がもつ副作用も減りつつあります。がん種によって様々ではありますが、患者さんの背景や状態を考慮して最適な化学療法(殺細胞性抗がん剤、免疫療法、分子標的薬、ホルモン剤)を選択しております。
<放射線科> 診断や治療後のフォローアップ目的で画像検査を行います。放射線治療は新病院移設準備のためにおやすみをさせて頂いておりますが、2021年9月新病院開業から、また必要に応じた放射線治療を当院で実施してまいります。
【当センターが対象となる疾患】
- 上皮系・メラノサイト系 (基底細胞癌)(有棘細胞癌)(悪性黒色腫)(メルケル細胞癌)など
- 付属器系 (乳房外バジェット病)(脂腺癌)(皮膚粘液癌)(エクリン汗孔癌)など
- リンパ系 (皮膚リンパ腫)
- 前癌病変 (日光角化症)(ボーエン病)
- 皮下または軟部 (脂肪肉腫)、(未分化多形肉腫)、(平滑筋肉腫)、(横紋筋肉種)、(悪性末梢神経鞘腫瘍)、(血管肉腫)、(線維肉腫)、(デスモイド腫瘍)など
- その他 内臓癌などからの皮膚転移やリンパ節転移