IVR （Interventional Radiology）

IVRはX線透視やCTを見ながらカテーテルや特殊な針を用いて体に傷を残さずに病気を治療する画期的な方法です。閉塞・狭窄した血管を拡げたり、出血した血管を塞栓して止血したり、がんを栄養している血管を塞栓して制御するなど、さまざまな治療を行います。外科的手術と比較して体への負担が少なく病気のみを正確に治療することができ、治療後すみやかに社会復帰できます。
当院はIVR専門医修練施設に認定されており、IVR専門医3名の指導の下において年間約800件におよぶ高度のIVR診療が行われています。当科では脳と心臓以外のあらゆる臓器の病変に対してIVRを行っています。具体的に当院で行っている業務は以下の通りとなっています。

1.肝細胞がんや子宮筋腫などの腫瘍に対する動脈塞栓術
2.脾臓や腎臓などの動脈瘤、肺や腎臓など血管奇形に対する動脈塞栓術
3.大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術
4.閉塞性動脈硬化症や透析シャント不全に対する血行再建術
5.外傷などの出血症例に対する動脈塞栓術
6.胃静脈瘤に対する塞栓術（B-RTO）
7.膿瘍や異常液体貯留の穿刺ドレナージ（排液）術
8.肺、肝臓、腎臓、骨などの腫瘍の経皮的生検術

当院の特徴として救急疾患に対するIVRが挙げられます。主に高度救急救命センターに搬送された重症例に対して24時間365日の対応を行っており、高度救命救急センターをはじめ心臓血管外科など、他科と密に連携して集学的治療を行っています。
また、当院では最先端の血管撮影装置やIVR-CTを備えており、様々な領域に関する臨床研究を行っております。教育体制も整備されており、日常診療を行うのみで格別の準備なしにIVR専門医が取得できる体制を構築しています。