ご挨拶
岩切 勝彦
日本医科大学 消化器・肝臓内科 教授
平成27年4月1日に消化器内科学の教授に就任いたしました岩切勝彦と申します。日本医科大学消化器内科学は昭和40年に常岡健二教授(元学長)に始まり、小林正文教授、坂本長逸教授に引き継がれ、今年で50年を迎える歴史ある教室であり、日本医科大学の4つの消化器内科(付属病院、千葉北総病院、多摩永山病院、武蔵小杉病院)を運営しております。坂本長逸先生の後任として重責ではございますが、これまでの伝統を受け継ぎ、皆様の期待に応えるべく、気持ちも新たにこれから精一杯努力をしていく所存でございます。
日本医科大学消化器内科学は、日常遭遇するあらゆる消化器疾患から、特定機能病院(千駄木付属病院)としての専門的な高度先進医療を行う診療科であります。患者さんの立場に立った心のこもった医療を理念とし、複数の専門医、指導医を有する各診療グループ(食道、胃・十二指腸、小腸・大腸、肝臓・胆嚢・膵臓)が個々に外科、放射線科、病理部と密な連携をとり患者さんに最良最善の医療を提供しております。また、内視鏡センターに常勤医を配置しているため、緊急治療が必要な患者さんに対しても常時迅速な対応ができる体制を整備しております。
私達が行う新しい診断手技や治療を患者さんにより良く伝えるため、また患者さんがご自身の病気をより良く理解できるように市民公開講座「胸やけ・べんぴ・おなかの問題教室」を定期的に開催し、毎回多くの患者さんにご参加いただいております。また、開業医の先生方とともに「千駄木消化器疾患連携会」を立ち上げ、ご紹介いただいた患者さんについては症例検討会を通して紹介先の先生方へのフィードバックを常に心がけています。
このような患者さん本位の診療だけでなく、私達は消化器・肝臓内科医の育成にも最大の力を注いでいます。臨床面においては「総合力のある消化器内科医の育成」を理念に、充実した大学院カリキュラム・後期研修プランを作成しております。卒後3年目から2年間で消化器の一般診療に加え、上部・下部消化管内視鏡検査とその止血術、大腸ポリープ切除術、腹部超音波検査手技の修得が可能となっています。現在更に研修プログラムを進化させ、卒後5年目以降の研修においてその他の内視鏡治療、胆膵内視鏡検査・治療、化学療法を含めて全ての入局者が消化器内科系の全ての疾患、検査を修得できる体制となっておりますので、総合内科専門医、消化器専門医、内視鏡専門医など将来内科医・消化器内科医に必要な資格取得も可能です。
研究活動に関しても、スタッフの活発な学術活動の結果、最先端の診療をはじめとした充実した研究が行われています。世界で最も権威のある消化器病学会、米国消化器病週間に私達日本医科大学消化器内科学からの演題は、10年間に95題が採択され、高い評価を受けています。研究領域は消化管から肝胆膵分野まで多数の領域があり、興味をもった分野での学位取得が可能です。
私達、日本医科大学消化器内科学スタッフ一同は、患者さん、御紹介いただく先生方、医学部学生・大学院学生・研修医・後期研修医の皆さまの期待に応えるべく、気持ちも新たにこれからも力いっぱい努力をしていく所存でございます。