脊椎脊髄外科
脊椎外来 高齢化社会を迎え近年増加しつつある骨粗鬆症を基盤にした高度の後弯、後側弯変形に対しては、楔状骨きり術、短縮術、椎体形成術とインストゥールメンテーション併用の脊柱再建手術を積極的に行ってきた。 ドクターヘリを有する当院においては高度脊椎脊髄外傷も経験することが多く、手術後のリハビリテーションを考慮した手術を施行している。私自身ここ数年成人脊柱変形の矯正手術が中心で過ごしてきたのですが、一般的に外科手術の潮流は低侵襲へと向かっており、それは脊椎外科手術おいても例外ではなく、患者への負担を最小限にとどめることを目的とした低侵襲な「脊椎前方固定術」としてXLIFが、本邦にも導入され1万例以上の手術が施行され,私自身もH25年9月以降300例を超えております(R2年3月31日現在、関連病院手術含む)。XLIFは脊椎固定術におけるまさにinnovationであり、1椎間あたりの出血量は5ml程度でほとんど出血を気にすることなく前方固定が可能となりました。XLIFは、出血や長時間の麻酔をともなう背中側からの手術(腹臥位での手術)に耐えられない患者に向いており、また長期間ステロイド注射や鎮痛剤、理学療法などの治療を受けてきたが改善せず、痛みが腰背部や下肢にも及んでいる患者への代替治療法ともなりうる。XLIFと後方から経皮的椎弓根スクリュー刺入を行えばほとんど出血を気にすることなく前後合併脊椎固定術が可能となり、回復も早く、社会復帰までの時間も短縮でき、患者の身体的負担だけでなく、精神的、また経済的負担も少ない。とくに再手術症例などに対してはXLIFによる間接除圧効果により後方除圧操作を回避できることは大きなアドバンテージであります。さらに前後合併手術が必要な患者の手術の低侵襲化も期待でき手術適応の拡大も実現できております。日々global standardを目指し,近隣の開業医の先生方、1次、2次救急病院との病診連携も密にし、個々の患者にあわせたテーラーメイドな医療を目指しております。
(脊椎脊髄外科担当、中嶋隆夫)
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