整形外科

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 神奈川県川崎地区における整形外科診療の中核として、大学病院の特色を生かした専門性豊かな診療を行います。他分野と同じく整形外科も進化の著しい世界ですが、人工膝·股関節手術におけるナビゲーションシステムの導入、股関節に対する最小侵襲(MIS)の手技、生理的で実用性の高い人工膝関節の再現など、世界基準を念頭に置いた最新の手法で治療を行っております。個々の患者さんの生活クオリティ(QOL)を保つことを目的とする整形外科診療を行うためであり、われわれはそのために努力を重ねて参ります。

【最小侵襲・コンピューターナビゲーションによる人工膝・股関節置換術】

 AIやスマートフォンの進化によって私たちの生活も大きく変わっています。それは整形外科手術においても同様で、様々なテクノロジーの進化に伴い人工関節手術も大きな変化を遂げてます。金属製の人工物を骨に固定して20、30年と緩みないようにするため精度がとても重要ですが、ナビゲーションにより術中のインプラントの設置位置を1mm、1度の精度で計測出来るため、従来に比べて精密な計画と手技が可能です。生理的な構造を踏まえて人工関節でありながら自然なフィーリングの実用的な膝·股関節にするための精緻な手術が可能になります。当院でも2020年10月からコンピューター支援による手術用ナビゲーションの運用を開始致しました。渡部の前任地である日本医科大学千葉北総病院では2018年4月から運用を開始致しましたが、安定した良好な成績が得られており国内外の学会で報告をしております。例えば人工股関節置換術後には、従来は脱臼を避けるため様々な動きが禁止されていましたが、今は最小侵襲(MIS)の手法による筋腱を温存した手術を行うため、しゃがみ込みや正座を含めて禁忌とされる動きはありません。人工膝関節置換術においても同様に、より生理的な動きを回復再現出来るよう、術前の膝の状態をMRIで評価した上で最適なインプラントの選定を行い、手術からリハビリまで含めて入念な治療を行います。高い活動性を保つことが現在の人工関節手術の目標であり、もしも今後手術を考えていらっしゃるのであれば、健康寿命の期間を更に伸ばすための意欲的な手術と考えて頂き、60歳代のうちに行うことをおすすめします。70歳前後からは徐々に体力低下し易く、80歳前後になった際には下肢筋力の低下等で術後も回復に時間を要し、リハビリ目的での転院をすることが多くみられます。半年以上痛みが改善せずに日常生活に支障が生じている方は、どうぞお気軽にご相談ください。

【変形性膝関節症の精査~T2マッピングMRI】

 一方で、手術などはまだ不要ながら、将来的な変形性膝関節症の進行が心配で、今後の進行を抑えるために早めに診断や治療を行いたい、という40歳代から60歳前後の方にはT2マッピング法を用いたMRIによる精査が可能です。新病院開設に伴い新規導入されたMRIでは、特殊なコイルを用いることでT2マッピング法を用いた膝関節の精査が可能になりました。これにより従来のMRIでは検出できなかった軟骨や半月板の質的変化を捉えることが可能になりました。変形はまだ見られないものの時折痛みを生じる方、まだ痛みは強くないものの今後の痛みの再燃や憎悪が心配である、というような方は、どうぞお気軽にご相談ください。

整形外科 部長 渡部 寛

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