診療内容

脳腫瘍(成人・小児)、脳血管障害、脊椎脊髄疾患、頭部外傷、水頭症、頭痛など脳神経外科一般。MRI、CT、シンチグラフィー、PETなどの最新の画像診断が可能です。

下垂体腫瘍

2,000余例の手術経験を誇る当科寺本教授の専門分野です。内視鏡による低侵襲手術をいち早く導入し、現在、手術患者数(年間160例)、経蝶形骨手術による治療成績(合併症率2.6%、手術死亡0%)、研究グループと密接に連携した臨床研究等、この分野における日本最高の施設として高い評価を受けています。さらに、本学内分泌内科をはじめとして、他大学・基幹病院の内分泌内科との連携によって一層の治療成績の向上を目指しています。

聴神経腫瘍手術

聴神経腫瘍とは耳の奥、小脳橋角部という部分できる良性脳腫瘍の一種です。ほとんどが中年以降に一側性進行性の難聴で発病、バランスを司る前庭神経から発症する良性脳腫瘍です。脳腫瘍全体の約1割を占めます。本腫瘍は小さい場合にはガンマナイフも有効なことから、無理な全摘出を目指さず、顔面神経の温存が難しいケースでは部分摘出にとどめ、小さくなった残存腫瘍をガンマナイフでたたく治療を行い、きわめて良好な成績を収めています。

頭蓋底腫瘍

頭蓋底腫瘍は頭蓋骨の底部に発生する腫瘍の総称です。100年も前からこれらの疾患に対する治療が試みられていますが、腫瘍が脳の深部にあること、また多くの重要な神経組織や血管などが近くにあるため、危険性が高く、治療成績は思わしくありませんでした。しかし近年では、顕微鏡を用いた手術が開発され、また内視鏡を用いた新しい治療方法が開発されて手術成績は向上してきています。
さらに放射線治療の方法もガンマナイフやサイバーナイフなどの導入によってかなり正確にまた他の神経組織を傷めることなく行うことが可能になり始めています。
化学療法も進歩し、近い将来にはウイルスや遺伝子を用いた腫瘍撃退療法が開発されるであろうと考えられています。

頭蓋髄膜腫

髄膜腫とは、脳を包む髄膜(クモ膜の表層細胞)から発生する腫瘍で代表的な良性腫瘍のひとつです。脳腫瘍全国統計では原発性脳腫瘍の30%近くも占め、そのほとんどは成人に発生します。最近では画像診断の発達と脳ドックの普及により、症状が無くても偶然発見される髄膜腫の患者さんが多く見られるようになりました。下垂体腫瘍や聴神経腫瘍と並び比較的頻繁に目にする腫瘍です。

顔面痙攣・三叉神経痛

顔面痙攣と三叉神経痛は、どちらも蛇行した血管が神経の根元(脳との境界付近)と接触することで起こることがわかっています。血管の圧迫が長期に継続することによって特殊な髄鞘の弱い部分がショートした様な状況となって生じると考えられています。ただし、腫瘍や、変性疾患などの原因で生じることもありますし、似た症状を呈する別の疾患もあるので、診断には熟練した医師の判断が必要です。

血管内手術

脳動静脈奇形・脳動脈瘤に対する人工塞栓術、脳梗塞超急性期の血栓溶解等、従来治療困難とされてきた疾患に対する低侵襲治療として画期的な治療法であり、当科では全国に先がけて専門スタッフが積極的に取り組んでいます。

神経内視鏡手術

現在では脳神経外科において臨床応用が発展している治療法でありますが、当科では早くから準備を進め、下垂体腫瘍・脳室内腫瘍・水頭症治療に対する低侵襲手術など、さまざまな脳外科手術の手術支援システムとして専門スタッフがその発展・応用に取り組んでいます。

悪性脳腫瘍の集学的治療

当科の主要研究テーマのひとつとして永年取り組んできた研究成果をもとに、手術・放射線療法に加えて独自の化学療法・免疫療法・遺伝子治療等の集学的治療で、国際的にも高い評価を受ける治療成績を誇っています。

脳動脈瘤、脳血行再建術

巨大動脈瘤に対するクリッピング術やバイパス術は直径0.5mmから4mm程度の頭蓋内血管を扱う、高度な外科的手技を要する手術です。当院では国内外の施設での手術技術の習得を目的とした留学経験と専門スタッフの育成により高度な手術手技を可能としています。特に巨大内頸動脈瘤に対するバイパスを用いた手術手技は国内でも有数の手術症例数となっています。また、最新の手術顕微鏡である、術中蛍光撮影を早期に取り入れ、より安全な手術を実現しています。
術中蛍光撮影は、眼底検査などに用いられている薬(インドシアニングリーン)を手術中に点滴の様に注射することで低侵襲に直径0.3mm程度の血管の流れを確認する方法です。検査用試薬としても副作用の発生頻度が0.17%程度と安全な造影剤です。

良性脳腫瘍の外科的摘出術

髄膜腫、神経鞘腫などは、悪性脳腫瘍と異なり、外科的治療が治療の主体となります。外科的治療に関しては、国内外の施設での手術技術の習得を目的とした留学経験と専門スタッフの育成により高度な手術手技が可能となりました。また、当院では最新の手術用顕微鏡である、術中蛍光撮影やナビゲーションシステム等を早期に取り入れ、より安全な手術を実現しています。

頭痛外来

脳腫瘍・頭蓋内出血等の手術を必要とする頭痛、片頭痛・緊張型頭痛等の外来通院にて治療可能な頭痛、眼科・耳鼻科等の他科の治療が必要な頭痛などを直ちに鑑別し、適切な治療を行なうことにより、長年の頭痛から解放される患者さんも多く、高い評価を得ています。
更に、最近注目されている低髄液圧症候群の治療経験も豊富に有しています。

お問い合わせ

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日本医科大学付属病院

〒113-8603 東京都文京区千駄木1-1-5
TEL: 03-3822-2131(代表)

夜間・休日救急外来
TEL: 03-5814-6119
(午後4時00分~翌日午前8時00分・土曜:午後2時00分~翌日 午前8時00分)

※休日(日曜・祝祭日、年末年始(12月30日~1月4日))、創立記念日は24時間対応しております。

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「脳神経外科学教室」

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