子宮形態異常に対する内視鏡的治療
子宮形態異常による不育症
流産の原因になる子宮形態異常には、重複子宮、双角子宮、中隔子宮、単角子宮などの子宮奇形と子宮粘膜下筋腫や後天的なものがあります。特に、中隔子宮は流産率が高いといわれています。流産を繰り返す場合は手術療法の対象になります。子宮奇形自体は妊娠にとっては問題になることもありますが、日常生活に影響を与えることはほとんどありません。手術療法には開腹手術と内視鏡手術があります。内視鏡手術は低侵襲で美容的にも優れ、術後の社会復帰も早いことから、現在は内視鏡手術が主流となっています。
正常子宮 弓状子宮 中隔子宮 双角子宮
子宮鏡下中隔切除術
子宮内に細いカメラ(子宮鏡)を挿入し、子宮内腔を観察しながら中隔を電気メスで切除する方法です。子宮鏡を安全に子宮内に挿入できるように、前処置として手術前日に子宮頸管を広げる処置(ラミナリア稈等の挿入)を行います。また、術中には腹腔内や子宮底部を観察する目的で腹腔鏡も併用することがあります。手術は約1時間で終了し、術後の経過が順調であれば手術翌日には退院できます。術後には子宮内腔の癒着予防に子宮内避妊用具やホルモン療法を行うことがあります。術後の経過にもよりますが、術後約3か月で妊娠許可となります。
これまで当院では2006年~2016年の間に74例の子宮鏡下中隔術を行ってきました。そのうち64例が不育症症例であり、手術後の赤ちゃんの獲得率は88.7%と非常に高い結果となっております。
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