緩和ケア科

　日本医科大学千葉北総病院は2015年4月1日から地域がん診療連携拠点病院に認可されました。それと同時に緩和ケア科が新設されました。緩和ケアは、痛みなどの身体的・精神的な苦痛を医療用麻薬をはじめとした様々な鎮痛薬や鎮痛補助薬などの薬物療法を含めた様々な手段により改善することで、患者さんの 生活の質quality of life (QOL) を最大限に高めることを目標とした医療です。

　当院には緩和ケア病棟はありませんが、職種を横断したメンバーで構成された「緩和ケアチーム」が、患者さんが自分らしい生活を送ることができるように患者さんとご家族を支援します。チームのメンバーには医師のみならず、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士、臨床心理士、ソーシャルワーカーなどの多職種が含まれています。看護師はがん性疼痛看護認定看護師、緩和ケア認定看護師、がん化学療法看護認定看護師など専門性の高い看護師が携わっており、医師も専門医の資格を持った外科医、内科医、精神科医、放射線科医、麻酔科医などが参加し、文字通り多職種の様々な観点から緩和ケアの治療方針を検討することができます。このような多職種の関わる領域では事務方のマネージメントが重要であり、多くのスタッフが協力し合いながら緩和ケアの体制を作り上げています。

　当科では、がん疼痛に対し、薬物療法に加え、神経ブロック治療（硬膜外ブロック、くも膜下フェノールブロックなど）も適応に従って行っています。硬膜外ブロックにおける医療用麻薬と局所麻酔薬の持続注入は、内服する場合に比べ医療用麻薬を減らすと同時に優れた鎮痛効果を得ることができます。

緩和ケア科 部長　金　徹

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