救命救急センター

　当救命救急センターは、病床数60床、救急専従医約20名（救急医学会専門医15名）を抱え、体幹部（頸胸腹部・骨盤）外傷、四肢開放骨折、軟部組織損傷などの重症外傷症例を集約し「防ぎ得た外傷死」ゼロを目指す医師集団です。さらに各科と協力し種々のショックを呈する致死的な内因性疾患（頭蓋内疾患、虚血性心疾患、大血管疾患、重度感染症、中毒、熱傷など）の急性期病態にも対応するショック・外傷センターとして特化しています。

　当院は千葉県ドクターヘリ基地病院でもあり、常に出動回数は日本のトップクラス（出動年間約1,200件）を誇っています。当センターの育成プログラムも充実しておりドクターヘリやプレホスピタルの研修としてHokusoh Prehospital education Program（HPP）に基づいた研修を行っており、多くのフライトドクターやナースが全国で活躍しています。夜間のラピッドカーも駆使し「攻めの救急医療」を展開しています。また、北総病院独自のacute care surgeryプログラムも有しており、様々な経歴を有する外科研修に対応しています。

　さらに当院は災害拠点病院、DMAT指定施設として、成田空港内外における航空機災害対策に深く関与し、印旛地域のまさに災害拠点となっているばかりではなく、実際の災害では全国に早期から人的・物的医療資源を投入し、様々な災害医療に貢献してきました。

　学術研究・教育分野では、重症外傷における止血に関する研究、災害医療での情報管理システムの研究、交通事故の工学的解明の研究、骨折治癒の過程の研究、AIを用いた医学教育研究などを行っています。また救急医学会専門医・指導医指定施設、外傷専門医指定施設、航空医療学会専門医指定施設など様々な専門医養成プログラムを有し、研修医、医学生、看護学生、救急救命士、自衛官、防衛省医系技官など多くの研修生を受け入れています。

救命救急センター 部長　原　義明