内視鏡センター

消化器内科・二神部長

近年、発展が目覚ましい武蔵小杉エリアでは地域に根差した医療に加え、専門性の高い医療の必要性もこれまで以上に求められるようになってきました。そうした現状を背景として2021年9月の新病院開設に伴い内視鏡センターも一新され、それ以来多くの新規患者様の治療にあたってまいりました。
多くご紹介頂いている早期胃癌の治療をはじめ、食生活の欧米化に伴い増加の一途をたどる大腸癌の早期発見および内視鏡治療、早期慢性膵炎やIPMNといった膵疾患に対する超音波内視鏡による精査、GISTをはじめとした消化管粘膜下層腫瘍に対する診断にも力をいれており、消化器外科や放射線科とも連携を図り低侵襲な治療を提供しております。
今後も一層の消化器・肝臓疾患の診断・治療の充実を図るべく、近隣の医療施設との連携を強化し、患者様のニーズに沿った迅速で安全な医療を実践してまいります。 

日本医科大学 消化器内科 教授

日本医科大学武蔵小杉病院
消化器内科 部長/内視鏡センター センター長

二神 生爾

令和5年 3月1日

おもな診療内容、検査件数

当内視鏡センターの消化管内視鏡の2022年度年間件数は上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)約4000件、下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)約2400件の合計6400件であり、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)109件、超音波内視鏡(EUS)279件、内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)228件など特殊内視鏡検査・治療も積極的に施行しております。
より苦痛が少ない経鼻内視鏡や鎮静剤使用を、患者さんの希望に合わせて実施しています。経鼻内視鏡につきましては、長所短所がありますので、まずは消化器科担当医師にご相談ください。
早期がんに対する治療内視鏡は近年、大きな進歩を遂げ、粘膜の表面だけに存在する早期がんは内視鏡での治療が可能となりました。内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)という方法で、いっさいおなかを切らずに、5~7日の入院で、治療が完結します。当内視鏡室でも、食道、胃、十二指腸、大腸と全ての消化管領域の早期がんに対して、積極的にESDを実施しております。
小腸は、消化管の中でも、栄養の吸収を一手に引き受けている一番大事な臓器ですが、内視鏡検査がほとんどできなかったため「暗黒の臓器」と言われてきました。当内視鏡室では、小腸内視鏡、カプセル内視鏡を導入し、診断が困難であった小腸の病気も見つけることができるようになり、さらに治療まで可能となりました。原因不明の消化管出血など、お困りの患者さんがいらっしゃいましたら、是非ご紹介を頂けますようお願い申し上げます。また、カプセル内視鏡や小腸内視鏡検査はどなたにでも適応となる検査ではございませんので、こちらもまずは担当医師に相談ください。

内視鏡検査・治療件数推移

全内視鏡件数

2020

2021

2022

上部消化管内視鏡

3853

4024

3966

下部消化管内視鏡

1666

2331

2391

治療内視鏡件数

消化管系疾患

内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜剥離術(ESD)、または緊急消化管止血術

2020

2021

2022

EMR

222

320

362

上部ESD

47

53

46

下部ESD

58

63

63

夜間緊急内視鏡止血術

15

16

18

胆道系疾患

超音波内視鏡(EUS)、超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)または内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP

2020

2021

2022

EUS

258

249

279

EUS-FNA

11

20

26

ERCP

125

189

228

院外内視鏡検査予約のご案内

地域医療連携の充実と紹介患者さんの利便性を高めるため、内視鏡検査の事前予約システムを運用しております。

川崎市胃がん内視鏡検診のご案内

当院では川崎市胃がん検診事業における内視鏡検診を実施しております。ご希望の方は、下記を参照の上、ご予約をお取りいただきますようお願い申し上げます。