輸血部

平川 経晃 様 2022.9.2

輸血医療は、現在の高度先進医療を支える重要な柱の一つであります。赤血球液、濃厚血小板、新鮮凍結血漿、アルブミン、グロブリンなどの血液および分画製剤に加え、造血幹細胞移植の骨髄、末梢血幹細胞や臍帯血が臨床の場で利用されています。最近ではこれらに加え、間葉系幹細胞やヒトリンパ球を扱う細胞治療部門として進化しております。

日本医科大学付属病院の輸血部は平成14年に設立され、院内では歴史の浅い部門ですが、2022年8月に日本輸血・細胞治療学会より輸血機能評価認定(I&A)評価を受けており、安全かつ適正な輸血医療を行う環境を整えております。

スタッフは医師1名、専任技師7名、事務職1名を中心に業務をおこなっており、多様化する高度先進医療の柱としての重責を果たすべく、日々努力しております。

輸血部 部長 平川経晃

業務内容

安全・安心な輸血療法の実践に積極的に取り組んでおります。業務内容は以下の通りです。

輸血療法委員会開催

2ヶ月に一回、医師、臨床検査技師、看護師、薬剤師などからなる輸血療法委員会を開催し、それぞれの立場からの意見交換を経て作成した血液製剤使用のガイドラインに従って輸血療法が適切に実施されているか否か検証しています。


輸血医療に関する教育、情報提供

新入職員に対する輸血医療の教育を行なうとともに、職員にできるだけ早く輸血医療に関する大切な情報を提供しています。


輸血医療にかかわる各診療科からの相談への対応

輸血にかかわるさまざまな問題について各診療科から相談を受けております。相談内容としては、特殊血液型に関するもの、不規則抗体陽性時の輸血製剤の選択法、HLA適合血小板輸血の適応、CMV陰性血液製剤の適応、臓器移植時の血液製剤の投与に関する問題などがあります。最新の知見に基づき回答しております。


輸血部業務内容

(1)日本赤十字社へ血液製剤の一括発注、(2)血液製剤の一括管理、 (3)血液製剤の受け払い、(4)血液製剤の適正な保管管理、(5)輸血に関する諸検査(血液型確認、不規則抗体検査、クロスマッチ試験など)(6)血液製剤への放射線照射、(7)輸血副作用・事故に関する情報収集と予防・防止に必要な情報の提供、(8)適正な輸血の推進に必要な血液製剤に関する情報収集と提供、などが日常の輸血部業務です。


遡及調査への協力

血液製剤を介しての輸血後肝炎などの輸血後感染症の発生が危惧された場合、日本赤十字社とともに原因の調査に当たります。その一環として2004年8月から、輸血を受けた患者さまの検査用検体の一部を保存・管理し、必要時に必要な検査を実施しています。

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