病理部

当部門のおもな特徴

byouri_terasaki

病理診断は、病気の治療方針の決定、治療効果の判定など、医療の根幹をなす極めて重要な部分です。当病理部では、病気(病変)を正確に診断するための病理組織検査と細胞診検査を、病理医の指導のもとで臨床検査技師13名(内 細胞検査士12名、認定病理検査技師3名)で業務に携わっています。

病理組織診断は、生検、手術などで採取した組織片を一定の操作のあとにHE染色や特殊染色をして顕微鏡で組織形態を調べ、病変の診断を行う行為です。病理診断の正確性を引き上げるために、ある病気に特異的な蛋白質などの物質を特定するための「組織化学染色」「免疫組織化学染色」や、病変部に於ける特定の遺伝子異常を検出するためのin situ ハイブリダイゼーション(ISH)などを行っています。

近年では自動染色装置、自動封入機(染色された標本にカバーガラスをかけてプラスチックに封入する)、および自動免疫染色装置によって、病理標本作製行程の自動化を図っています。これにより、作製される病理標本の均一な染色性がある程度保証され、間違いのない病理診断が出来ることにつながるようにしています。 また乳癌、肺癌など分子標的薬の適合に関わる検査などもサポートしています。

細胞診診断は、子宮頚膣部や子宮体部、喀痰、尿、胸水、腹水、その他各種臓器由来の細胞を採取して、一定の操作のあとに染色を行い細胞検査士を中心に顕微鏡で癌細胞などの有無を調べ、細胞の性格を診断する行為です。当院ではセルブロックの作製を行い免疫染色も実施し診断精度の向上を図っています。

その他、術中迅速診断、病理解剖の介助、臨床病理カンファレンス(CPC)や臨床医の学会発表の支援、臨床治験なども積極的にサポートしています。さらに、がんゲノム医療連携病院としての病理検査室の役割も果たしています。

臨床病理診断は正確性と迅速性が常に求められますが、国際標準化機構(International Organization for Standardization) が「臨床検査室-品質と
能力に関する特定要求事項」として規定した、ISO15189の認定を2016年12月8日に取得し、国際的にも品質が認められた信頼性のある検査データを提供しています。日臨技臨床検査精度管理調査や日本臨床検査技師会、日本病理精度保証機構などが主催する外部精度管理プログラムにも積極的に参加し検査の正確性を保証するとともに、最新の検査機器を使用することにより迅速に詳細な結果を報告できるよう務めております。

正確な診断と最先端の技術の提供を理念とし、当病理部は、病理医と協力して常に病理診断に必要な正確な技術と最先端の技術を提供しています。


病理部 部長 寺崎 泰弘

後期研修医、専修医の方へ

我々のもう一つの使命は、若手病理医の育成です。いままで、日本では診断病理医(臨床病理医)を目指す人に対する環境整備が十分ではありませんでした。当科では、例えば、後期研修医であれば、まずは病理専門医資格取得をめざし、病理を集中的に学べる環境を提供します。もし、基礎研究にも興味があるのでしたら、当大学大学院病理学教室、あるいは学外の専門家との交流を通じて、最大限のサポートをいたします。その他、学生さん、研修医、若手病理医も、当科に興味があれば、見学は大歓迎です。お気軽にどうぞ。

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