臨床検査部                  2023年10月改定

はじめに

臨床検査部は以下の方針に則り、質の高い臨床検査の提供、精度管理の徹底、迅速性の向上、安全性の確保、丁寧な対応を実践しています。また、医療従事者相互の連携と調和にも努め、高い専門性の習得と維持に努めています。

  1. 診察医と患者さんのニーズに応え、質の高い検査とサービスを迅速に提供し、地域医療の質の向上に貢献します。
  2. 良好な業務習慣と品位ある行動を実践し、国際水準の臨床検査を継続的に提供できるよう、日々 業務改善に努めます。
  3. 臨床検査部の全ての職員で目標を共有して、目標達成のため計画を立案、実行し、定期的にその達成度を評価して臨床検査の継続的な改善に繋げてゆきます。
  4. 臨床検査部の全ての職員の教育を継続的に実施し、臨床医および患者のニーズに的確かつ迅速に対応できる人材を育成してゆきます。

ISO 15189への取り組み

医療機関において疾患の診断や治療には、臨床検査の成績と解釈が不可欠です。このため臨床検査室には精確な結果を提供する能力と臨床検査室が請け負う臨床検査の種類に応じた技術能力が求められます。2016年 当院 臨床検査部は臨床検査室の品質と能力を評価する国際規格ISO 15189の認定を取得しました。これにより当院は国際水準の臨床検査を行う能力を有し、その検査報告書は国際的に通用することが明らかになりました。

kensa_iso_1

kensa_iso_2

ご挨拶

inoue_gishityou

当院の臨床検査部は、1年間に血液検査の検体数は780万件、採血患者数は17万人、超音波検査件数は2万2千件の臨床検査を実施する大規模な検査部門です。生理機能検査では、当日または翌日に検査が実施できるよう、時間毎に管理された検査スケジュールにより検査を進め、ほぼ予約時間通りに検査を受ける事が可能です。また、遺伝子関連検査では、細菌、ウイルスなどの微生物の遺伝子同定検査や一部の疾患に特異的な遺伝子変異について院内で検査を実施しています。医療技術の進歩に伴い日々の医療環境が変化する中で、臨床検査部は惜しみない最善の努力を継続し、常に患者さんから安心して検査を受けて頂けるよう努めて参ります。

臨床検査部・輸血部 技師長 井上淳

  • 略歴:1986年多摩永山病院に入職。1994年臨床工学技士取得。主に、免疫学的検査・生化学的検査を担当し、2017年多摩永山病院中央検査室技師長、2019年付属病院臨床検査部技師長に就任。
  • 臨床検査における国際標準化に対応出来「ISO15189」を中心に、高品質な臨床検査の提供を実践している。

部門紹介

採血

kensa1

中央採血室では、外来患者さんの診察に必要な検査のために採血や採尿を行っています。採血は採血台またはベッドで行います。患者さんの待ち時間が最小限になるよう日々心掛けています。

検体受付

臨床検査部の検体受付では1日に約2000件の検体を扱い、検体の検査室への到着や検査項目を確認し、検体を生化学検査部門や免疫検査部門、遺伝子検査部門、血液・凝固検査部門、尿一般検査部門へ迅速に振り分けます。また、翌日の入院患者さんの検体検査の準備も行っています。

生化学検査部門

kensa_bumon2

血液や尿、体液の中のタンパク質、糖、脂質、電解質、免疫関連成分などの濃度を測定しており、その他に血液中の薬物濃度も測定しています。これらの検査項目の多くは生化学自動分析装置にて測定しています。

免疫検査・遺伝子検査部門

スクリーンショット 2023-12-15 114050

免疫検査部門では血液型やホルモン、感染症、腫瘍、免疫に関連する物質を検査しています。また、遺伝子検査部門ではDNAの遺伝子配列の多様性について検査を行なっています。

血液・凝固検査部門

kensa_bumon4

  • 主に採血した血液中の白血球や赤血球、血小板の数などを測定し、全身状態を把握する検査を行います。また、骨髄から採取した骨髄液の検査や血液の止血に関する検査も行っており、血液疾患の診断や治療の効果判定に活用されています。

尿一般検査部門

画像1

  • 尿中に含まれる成分や細胞について検査しています。腎臓や泌尿器疾患のみならず、様々な病気の診断の一助として活用されています。尿検査の他にも脳脊髄液や腹水、胸水、精子、便に関する検査を行い、幅広い検体を扱う部門です。

微生物検査部門

kensa_bumon6

  • 採取された喀痰や尿、糞便、咽頭拭い液、膿、血液から病気の原因となる細菌や真菌などを検出し、特定しています。そして治療に必要な抗菌薬の有効性を調べる検査も行っています。また、感染制御部と連携して院内感染対策にも努めています。

生理機能検査部門

kensa3

  • 生理機能検査は患者さんの心臓や肺、神経、聴力などの機能を調べる検査です。生理機能検査部門では心電図や脳波、肺機能をはじめ、超音波検査、めまい・きこえ検査など行い、これらの検査は病気の診断や治療に活用されています。

認定資格者数

(2023年10月1日現在)

資格名 人数
一級臨床検査士・微生物学 1
一級臨床検査士・血液学 1
感染制御認定臨床検査技師(ICMT) 3
認定微生物検査技師 4
認定血液検査技師 7
認定骨髄検査技師 1
認定一般検査技師 4
認定臨床化学者 1
認定臨床化学・免疫化学制度保証管理検査技師 2
認定心電検査技師 1
JHRS認定心電図専門士 2
超音波検査士・循環器 4
超音波検査士・消化器 4
超音波検査士・血管 1
超音波検査士・泌尿器 4
日本睡眠学会認定検査技師 2
日本臨床神経生理学会認定技師(筋電図・神経伝導分野) 2
日本臨床神経生理学会認定技師(脳波分野) 2
日本臨床神経生理学会認定技師(術中脳脊髄モニタリング分野) 2
認定弾性ストッキング・コンダクター 1
心臓リハビリテーション指導士 3
血管診療認定技師 1
認定救急検査技師 2
緊急臨床検査士 10
遺伝子分析科学認定士(初級) 2
細胞検査士 1
二級臨床検査士・臨床化学 14
二級臨床検査士・血液学 16
二級臨床検査士・微生物学 10
二級臨床検査士・免疫血清学 13
二級臨床検査士・神経生理学 8
二級臨床検査士・循環生理学 16
二級臨床検査士・呼吸生理学 10
第2種ME技術者 3
臨床工学技士 1
特定化学物質・四アルキル鉛作業主任者 2
有機溶剤作業主任者 2
毒物劇物取扱責任者 3
臨床検査技師臨地実習指導者 1

プライバシーポリシーおよびサイトポリシーは日本医科大学付属病院HPに準じています。