中央検査室
特徴
医療の進歩に伴い検査の内容も多様化しています。中央検査室では、最新の機器や技術の導入・学会や研修会などに積極的に参加し、常に最新の知識を吸収し最先端の医療に十分対応できるよう準備を行っています。
検体検査
患者さんの血液や尿などをさまざまな分析装置を駆使して治療に必要な情報(データ)を提供します。
生理機能検査
各種機器・装置を用いて患者さんの体内から間接的にデータを取り出し、整理をして臨床に提供します。患者さんご自身にやっていただく検査もあります。
検査科目・内容
生化学・血液・一般検査部門
検査の自動化が進んでいる部門です。当検査室では機器・装置の故障で検査を止めることがないよう主な分析装置を2台体制としています。
検体前処理分注装置
採血管の開栓、子分注管へのラベル添付や分注さらに外部搬送を行います。複数の分析装置でも稼働状況を検知し、検体を振り分けます。
生化学検査自動分析装置
数種類の分析装置を用いて緊急依頼をはじめ病棟•外来からの検査を行っています。
AST (GOT) ・ALT (GPT) ・γ-GT ・コレステロール・中性脂肪・尿酸・尿素窒素・電解質・血糖値など最大2000テスト/時の高処理能力を備えた自動分析装置です。
血液検査自動分析装置
赤血球・白血球・血小板数の測定だけではなく、貧血モニタリングや疾患による細胞異常を鑑別することができる装置で最大220件/時の検査が可能です。血球検査の他、血液凝固検査も実施しています。
全自動尿分析装置・全自動尿中有形成分分析装置
尿中の蛋白質・糖・潜血反応など10項目を測定する分析装置で最大276件/時の検査が可能です。また、赤血球・白血球・上皮細胞などの有形成分を分析する装置と連結しており、こちらは最大105件/時の処理能力があります。
微生物検査部門
検査材料が多様で機械化がしにくいため、検査技師の手作業が多い部門です。
細菌培養検査
喀痰・尿・糞便・膿など様々な検査材料をそれぞれの目的に合った培地に塗抹し培養します。
培養後、感染症の原因となる細菌を特定していきます。
菌同定・薬剤感受性検査
感染症の原因となる細菌の菌名特定(菌同定)と有効な薬剤の確認(薬剤感受性検査)を行います。細菌の種類によって異なりますが、基本的に自動分析装置で検査を実施します。
抗酸菌検査
抗酸菌は培養時間が通常の細菌よりも長いため、専用の培地で培養します。(最大で8週間を要します)。
血液培養検査
本来無菌である血液の血流感染を疑う場合に行われます。専用ボトルに血液を分注し血液培養装置で培養、陽性と判定され次第菌同定・薬剤感受性検査を進めていきます。
PCR検査
新型コロナウイルスのPCR検査を行っています。現在使用している機器は最大24件/2.5時間の検査が可能です。
輸血検査部門
安全かつ適正な輸血療法の推進に努めています。
血液製剤の管理(自己血含む)
赤血球液、血小板濃厚液、新鮮凍結血漿、自己血(貯血式)の保管と管理を行います。また日本赤十字血液センターへの製剤発注も行います。
輸血検査
主に血液型検査、不規則抗体スクリーニング検査、不規則抗体同定検査、交差適合試験などを行っています。全自動輸血検査
装置の導入により検査の標準化が実現し、24時間体制で対応しています。緊急性の高い場合・精査が必要な場合は用手法を実施することもあります。
輸血管理システム
血液製剤管理から輸血検査・製剤割り当て・出庫までバーコードを用いた一元管理を行っています。
放射線照射装置
輸血副反応の中で重篤な症状を引き起こす輸血後移植片対宿主病(GVHD)の予防に放射線照射を行います。
読み合わせ
輸血検査室から病棟・手術室・救急外来など血液製剤を払い出す際は、必ず受け取りに来た職員とダブルチェックを行います。
生理機能検査部門
直接患者さんと接する部門です。患者さんの協力が無いと有用な結果が得られないため、分かりやすい検査の説明とリラックスして検査を受けていただけるよう心掛けています。
生理検査は大きく分けると以下のようになります。
- ● 生体電気を波形として捉え心臓・脳などの状態を把握する検査(心電図・脳波・筋電図)
- ● 直接目で見ることの出来ない体の内側を画像として観察する検査(超音波検査)
- ● 患者さん自身にやっていただく検査(肺機能・聴力・めまい検査)
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心電図検査
心臓の電気的活動をグラフの形で視覚的に表したもので、虚血性心疾患や不整脈など心疾患の診断や治療・経過観察に役立ちます。安静時以外にも運動の前後で記録する検査もあります。
トレッドミル運動負荷試験
軽い負荷から段階的に負荷量を増やし、自覚症状、異常所見の発現あるいは目標心拍まで運動負荷をかけます。同時に心電図や血圧測定を行うので安全に検査ができます。検査は医師が行います。
神経伝導速度検査
体表上から抹消神経に電気刺激を与え、誘発された筋電図の波形から伝導速度などを算出します。糖尿病や手根管症候群など末梢神経障害の検査に用いられます。
呼吸機能検査
肺活量や残気量の測定を行います。
患者さんご自身にやっていただく検査で呼吸器疾患だけでなく麻酔を必要とする手術前検査としても行われます。
超音波検査
心臓・腹部・甲状腺・頸動脈・下肢静脈(DVT)の超音波検査を行っています。超音波認定技師(心臓・腹部・泌尿器)、血管診療技師も複数在籍しています。
認定資格者数
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