生物多様性条約

名古屋議定書の締約国から遺伝資源を入手して、研究活動に利用する場合には、生物多様性条約と名古屋議定書に基づくABS(Access and Benefit-Sharing、遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分)に関する手続きを行う必要があります。

このような場合には、ABSの手続きについて注意が必要です。
・海外で生物サンプルを採取して、日本に持ち込み、研究に利用する。
・外国人留学生、外国人研究者が自国の生物サンプルを日本に持ち込み、
 研究に利用する。
・第三者から海外の生物サンプルを受け取り、研究に利用する。


生物多様性条約とABSについて

生物多様性条約(CBD:Convention on Biological Diversity)の目的は次のとおりです。
①生物の多様性の保全
②生物資源の持続可能な利用
③遺伝資源の利用から生ずる利益の公正で衡平な配分

③の目的のためには、遺伝資源の利用(Access)と利益配分(Benefit-Sharing)の在り方にルールが必要という問題意識から、ABSに関する基本的なルールが定められました。

参照リンク
(生物多様性条約)
外務省 chizai_window
環境省 chizai_window
経済産業省 chizai_window
文部科学省 chizai_window

遺伝資源とは?
生物多様性条約では、「遺伝の機能的な単位を有する植物、動物、微生物、その他に由来する素材のうち、現実の、又は潜在的な価値を持つもの」と定義されています。
ヒトの遺伝資源はABSの対象にはならないとされていますが、国によっては国内法で対象とする場合があります。

参照リンク
国立遺伝学研究所ABS学術対策チーム chizai_window


名古屋議定書と国内措置(ABS指針)について

名古屋議定書(正式名称:生物の多様性に関する条約の遺伝資源の取得の機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分に関する名古屋議定書)は、ABSの着実な実施を確保するための手続を定める国際文書として、2010年10月に愛知県名古屋市で開催された生物多様性条約第10回締約国会合(COP10)において採択されました。

日本は、2011年5月に名古屋議定書に署名し、2017年1月に政府において「遺伝資源の取得の機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分に関する指針(以下、「ABS指針」という。)」の案が取りまとめられ、2017年5月18日に公布、2017年8月20日に効力を生じました。

参照リンク
(名古屋議定書)
外務省 chizai_window 
環境省  chizai_window

(国内措置(ABS指針))
環境省 chizai_window


学内規程

学校法人日本医科大学生物の多様性に関する条約の遺伝資源の取得の機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分に関する規程 icon_1r_24(令和2年4月1日制定)

関連規程:学校法人日本医科大学研究成果有体物取扱規程 icon_1r_24


遺伝資源取得の手続き

名古屋議定書の締約国から遺伝資源を入手する場合、ABSに関する手続きが必要になります。
締約国かどうかについては、以下のリンクをご参照ください。

参照リンク
(諸外国の締結・法令策定・IRCC発行の状況)
環境省 chizai_window

※遺伝資源を取得する際は、提供国の共同研究先などを通じて提供国の国内法令に基づく取得方法をご確認ください。

ABS規定に関わらず、第三者から遺伝資源を入手する場合には、契約(MTA)の締結が必要になる場合があります。
MTA締結に関する具体的な手続きはMTA(研究成果有体物)chizai_window のページをご参照ください。


お問い合わせ

学校法人日本医科大学研究統括センター
E-mail:
(日本医科大学)    mateiral@nms.ac.jp
(日本獣医生命科学大学)material2@nms.ac.jp