[老人病研究所公開セミナー] 乳癌における抗癌剤パクリタキセルの作用機序に関する考察
<演者> 免疫部門 中嶋 亘 先生
<日時> 2015.2.26(木) 15:00~16:00
<場所> 武蔵小杉病院 C館1F 会議室
<要旨> 微小管は真核細胞の運動や形の保持に関与するのに重要で、抗チューブリン化学療法薬の標的でもある。微小管を標的とする化学療法薬パクリタキセル(taxol)は、乳癌、非小細胞肺癌、卵巣癌など多くの悪性腫瘍に対して広く処方されている。パクリタキセルは、微小管に結合して安定させ脱重合を阻害することで、腫瘍細胞の分裂を阻害し細胞死を誘導するが、その機構は未だによくわかっていない。また、パクリタキセルに対して耐性をもつ腫瘍細胞は、どのようにして細胞死から免れるのかも明らかになっていない。
本セミナーでは、乳癌細胞においてパクリタキセルにより誘導される細胞死を制御する因子について新たな見解を得たので報告したい。