[老人病研究所公開セミナー] アディポネクチンを介した成長ホルモンの食餌性肥満マウスの耐糖能と内臓脂肪への作用
<演者> 疫学部門 福島 誠 先生
<日時> 2014.10.30(木) 16:00~17:00
<場所> 武蔵小杉病院 南館2F 講堂
<要旨> 内臓脂肪の過剰な蓄積は脂肪細胞からのアディポサイトカイン分泌異常を引き起こし、末梢組織のインスリン抵抗性や代謝異常の原因となり、メタボリックシンドローム発症に深く関与していることが知られている。我々はこれまで、成長ホルモン(GH)の作用低下が内臓脂肪の過剰な蓄積を引き起こし、メタボリックシンドローム発症に関与していると考え、GHの作用が低下する食餌性肥満マウスに、GHを慢性的に投与する実験を行ってきた。その結果、GHは、内臓脂肪局所でのアディポネクチン(APN)の産生を増加し、肥満により同組織内で生じる酸化ストレスと炎症を抑えることが示唆された。また、耐糖能障害の改善効果もAPNを介する可能性が考えられた。