[老人病研究所公開セミナー] 血管の形態学的な多様性:螺旋状に蛇行する血管の形成過程とその形態学的変化
<演者> 病理部門 藤原 正和 先生
<日時> 2014. 2. 27(木) 15:00~16:00
<場所> 武蔵小杉病院 C館1F 会議室
<要旨> 血管の形成機構はvascular endothelial growth factorの研究により、その概要が明らかになりつつある。その一方で、血管が持つ多様な形態の形成メカニズムはほとんど明らかになっていない。中でも蛇行した血管の形成メカニズムは、良い実験モデルが存在せず、研究が遅れている。我々はこれまでにアフリカツメガエルのオタマジャクシの退縮する尾において、螺旋状に蛇行した血管が形成されることを見出している。そこで、本研究では変態期のオタマジャクシの尾を実験モデルとして用い、老化や高血圧症との深い関わりが指摘されている蛇行した血管の形態形成メカニズムを明らかにすることを目的とした。形態学的な解析を行ったところ、血管の数やサイズが螺旋状に蛇行する過程において変化することが分かった。また、周辺組織の細胞死に遅れて血管の螺旋化が生じることも分かったので併せて報告する。