[老人病研究所公開セミナー] 肝臓における2型糖尿病治療標的の同定への試み―肝糖産生亢進と脂肪肝を中心に―
<演者> 国立国際医療研究センター研究所糖尿病研究センター 分子代謝制御研究部長: 松本 道宏先生
<日時> 2013. 9. 26(木) 16:00~17:00
<場所> 武蔵小杉病院C館1F 第1・第2 会議室
<要旨> 過食、運動不足などにより肥満が起こると、肝臓・骨格筋などにおけるインスリン作用障害(抵抗性)が惹起される。これにインスリン分泌障害が加わると血糖値が上昇し糖尿病を発症する。肝臓におけるインスリン抵抗性によって起こる糖産生亢進、VLDLの分泌亢進、脂肪肝は、高血糖、脂質異常症を惹起することから、肝インスリン抵抗性の是正は重要な治療戦略である。しかし現在、インクレチン関連薬などインスリン分泌を標的とする薬剤は多いが、インスリン抵抗性を標的にした治療薬は極めて少ない。本セミナーでは、現在我々が行っている、肝インスリン抵抗性を基盤に起こる病態の治療薬開発に供する標的分子の同定に向けた取り組みを紹介する。