[老人病研究所公開セミナー] 小分子チロシンキナーゼ阻害薬スニチニブによるラット傷害血管における病的内膜肥厚の抑制効果
<演者> 疫学部門 石井聡 先生
<日時> 2013. 1. 31(木) 15:00~16:00
<場所> 武蔵小杉病院C館1F 第1・第2 会議室
<要旨> 冠動脈疾患患者に対する経皮的冠動脈形成術後再狭窄は、薬剤溶出ステント等デバイスの進化により頻度は低下したが、依然発生する合併症である。再狭窄の中心病態は、機械的内皮傷害血管における血管平滑筋細胞(VSMC)の病的な遊走と増殖であるが、血小板由来増殖因子(PDGF)はVSMCの病的反応を助長する。スニチニブは、PDGF受容体、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)受容体等のリン酸化を抑制するチロシンキナーゼ阻害薬で、抗腫瘍薬として臨床応用されている。その作用メカニズムから、スニチニブは傷害血管の病的内膜肥厚の抑制効果も期待される。スニチニブの傷害血管への効果と作用メカニズムについて検討を行った。