[老人病研究所公開セミナー] 炎症性サイトカイン受容体の糖鎖修飾を標的とした新規抗炎症治療法
<演題> 炎症性サイトカイン受容体の糖鎖修飾を標的とした新規抗炎症治療法
<演者> 免疫部門 上原郁野 先生
<日時> 2012. 11. 29(木) 15:00~16:00
<場所> 武蔵小杉病院C館1F 第1・第2 会議室
<要旨> 炎症性サイトカインを標的とした抗サイトカイン治療法は、関節リウマチ等の抗炎症療法で通常行われている治療法である。しかし抗体製剤による治療法は、注射剤による治療で薬価が高価なため、患者への身体的経済的負担が懸念されている。我々は、N-結合型糖鎖修飾阻害剤でサイトカイン受容体の糖鎖修飾を阻害する事により、サイトカイン自体がレセプターへ結合ができず、下流へのシグナル伝達が阻害される事を見いだした。さらに、潰瘍性大腸炎モデルマウスや関節リウマチモデルマウスを用いた実験を行い、N-結合型糖鎖修飾阻害剤投与により、症状が抑制できることを確認した。以上の事からN-結合型糖鎖修飾阻害剤は、抗炎症療法の有力な治療薬候補になると考えている。