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[老人病研究所公開セミナー] TMEPAI familyによるTGF-βシグナル抑制機構の解明

<演題> TMEPAI familyによるTGF-βシグナル抑制機構の解明

<演者> 免疫部門 中野 なおこ 先生

<日時> 2012. 5. 31(木) 15:00~16:00
<場所> 武蔵小杉病院C館1F 第1・第2 会議室

<要旨> TGF-βは細胞増殖、分化など多彩な生体機能を調節するサイトカインである。多くの細胞では細胞増殖抑制作用を有し、初期がんでは細胞増殖を抑制してがん進展を阻害する。一方悪性化した多くのがんは、TGF-βによる細胞増殖抑制作用に対して抵抗性を獲得することに加え、TGF-βを豊富に分泌することでEMT誘導、遊走性促進、血管新生促進、免疫監視機構からの回避等により転移促進を行っている場合がある。また、細胞内では、生体の恒常性維持のため、過剰なTGF-βシグナルを抑制するために、様々な段階でTGF-βシグナルが負に制御されていることも知られている。
 私達は、TGF-βの直接の標的遺伝子としてTMEPAI(transmembrane prostate androgen-induced RNA)を同定し、TMEPAIがTGF-βシグナルのネガティブフィードバック機構に関与していることを明らかにした。今回私は、TMEPAIファミリー分子探索過程で同定したC18ORF1のTGF-β/Smadシグナル系への作用機構について報告する。