【老人病研究所公開セミナー】成長遅延症マウスにおける糖代謝異常の解析
<日時>5月26日(木)15:00-16:00
<場所>日本医科大学武蔵小杉病院C館1階第1・第2会議室
<演者>疫学部門 田口雄亮 先生
<演題>成長遅延症マウスにおける糖代謝異常の解析
<概要> 成長遅延症 (grt) マウスでは、糖負荷に対する血糖値とインスリン分泌の応答性に異常が認められる。このマウスは、2型チロシン硫酸転移酵素 (Tpst2) 遺伝子の点突然変異のため、本酵素の活性低下とこれに伴う甲状腺刺激ホルモン受容体の機能低下を示す。そこで、grtマウスの耐糖能異常に対する甲状腺ホルモン (TH) の関与について検討した。TH処理により、grtマウスで認められた血糖値の応答性はほぼ完全に回復したが、インスリンの分泌異常は部分的にしか改善しなかった。一方、本マウス膵島ではTPST2 のmRNAが発現していた。したがって、正常なインスリン分泌にはTHに加え、TPST2の直接的・間接的関与が示唆される。