【公開セミナー】糖代謝阻害剤による抗炎症効果の解析
<演題> 糖代謝阻害剤による抗炎症効果の解析
<演者> 免疫部門 上原 郁野
<日時> 2010年9月30日(木曜日)15:00~16:00
<場所> 武蔵小杉病院C館1F 第 1・第 2 会議室
<要旨>
炎症は発癌の主要な要因の一つであり、炎症病変では白血球浸潤など癌の微小環境と類似した生体反応が観察されている。本研究室では癌と糖代謝の研究を行っている過程で、炎症性サイトカインIL-6の刺激で糖代謝が亢進する事を明らかにした。炎症と糖代謝の関係をさらに調べるため、大腸炎モデルマウスで糖代謝阻害剤の影響を調べたところ、糖代謝阻害剤により大腸炎による体重減少が抑えられ、炎症反応の抑制が確認された。さらにマウス胎児繊維芽細胞での実験により、糖代謝阻害剤で解糖系酵素阻害だけでなく、サイトカインのシグナル伝達抑制も起きている可能性が示唆された。このセミナーでは、現時点で得られた知見について報告させて頂く。