平成31年3月19日
患 者 様
関係者各位
日本医科大学付属病院
当院医師からの肺結核発症について(第4報)
この度、当院所属の耳鼻咽喉科・頭頸部外科医師が、肺結核に罹患していたことにつきましては、患者様や関係者をはじめ、皆様には、ご心配とご迷惑をおかけすることとなり、心よりお詫び申し上げます。
本事象のこれまでの経過については、2018年7月19日、8月2日、11月12日付けで当院ホームページや院内掲示等でお知らせをいたしましたが、今回その後の調査結果と当院の対応について、これまでの経過と併せてご報告いたします。
まず、事象発覚後、当該医師の診療状況等を調査し、複数保健所を含む関係機関とも協議のうえ、第一次接触者健診の対象となる患者様を決定し、対象となる患者様に対し2018年8月より患者説明会と健診を実施いたしました。
この健診の結果では、18人の方でIGRA検査が陽性と判定されました。
IGRA検査は結核菌に感染していることを判定する検査ですが、限界もあり、①活動性結核と潜在性結核感染症(感染のみで発病していない状態。他人に感染させることもありません。)を区別することができず、②陽性を示した場合でも感染時期を判定することができません。そのため、IGRA検査結果が陽性の方は、本事象とは無関係に感染している可能性もありますが、そうした方も含めてIGRA陽性の方については、個別に二次健診を行いました。その結果、患者様の中に発病者がいないことを確認いたしました。そのため、IGRA検査結果が陽性の方でも、症状がなく他人に感染させることはありません。現在は、接触者の背景(併存疾患など)や検査結果を踏まえ、結核の発病を予防する治療等を実施しております。
また、当該医師との最濃厚接触職65名を含む全職員2,099人に対する健診の結果も判明し、同様に発病者がいないことを確認いたしました。
職員結核発生予防への対応として、①職員の健康管理方法の見直し、②結核患者に接触する機会のある職員に対するIGRA検査の実施、③結核に対する従業者啓発・教育活動、などを行っております。これからも患者様やご家族をはじめ、病院に関わるすべての人たちを感染から守るために、病院職員を上げて対応に取り組んで参ります。
今後も、本事象に関連する情報は、適宜、当院ホームページ及び院内掲示にてお知らせいたします。
記
- ■これまでの接触者(患者様・職員)健診の状況
(ア) 第一次接触者健診対象者
●健診対象の期間(2016年1月9日~2018年7月9日)
●濃厚接触患者とハイリスク接触者:385名
●最濃厚接触職員:65名
●健診方法:
血液検査(結核菌特異的インターフェロン-γ産生能:IGRA)または胸部X線検査、 - ツベルクリン反応検査(小児)
(イ) 第一次接触者健診の施行期間
●2018年7月25日から2019年1月
(ウ) 第一次接触者健診の結果
●患者様、職員に発病者なし。
●結核菌特異的インターフェロン-γ産生能(IGRA)検査陽性(2019年2月13日現在): - 18名
● IGRA検査が陽性の患者様については、個別に二次健診・治療等を行っております。 -
- ■ 当院の対応
(ア) 接触者への対応
●健診の結果、新たに発病者が発見されたり、複数の潜在性結核感染症患者が発見された - りした場合には、保健所との協議の上健診対象範囲を拡大することを検討しています。
(イ) 当院の感染対策と従業者教育について
●患者様やご家族をはじめ、病院に関わるすべての人たちを感染から守るために、 - 「標準予防策(スタンダードプリコーション)」を基本とした感染対策の周知徹底と遵
- 守を改めて指示し対応しております。
●病院職員は、自らが院内感染源とならないため、定期健康診断を年1回以上必ず受診 - し、B型肝炎、インフルエンザ、麻疹等の予防接種に努め健康管理に留意することを、
- 改めて周知、徹底しております。
●病院職員の健康管理方法の見直しを行い、職員の健康管理をより厳重に行う体制を再整 - 備いたしました。
●本事象を受け、全従業者を対象とした感染対策に関する研修会・講習会を開催いたしま - した。
今後、本事象に関連する情報は、適宜、当院ホームページにてお知らせいたします。
URL:https://www.nms.ac.jp/hosp/
■問い合わせ先
日本医科大学付属病院 03-3822-2131(代表)
平日10:00~16:00(土曜日・休日を除く)
以上