平成30年11月12日
患 者 様
関係者各位
日本医科大学付属病院
当院医師からの肺結核発症について(第3報)
この度、当院所属の耳鼻咽喉科・頭頸部外科医師が、肺結核に罹患していたことにつきましては、7月19日、8月2日付けで当院ホームページや院内掲示等でお知らせをいたしましたが、その後の調査結果と当院の対応についてご報告いたします。
当該医師の診療状況等を調査し、複数保健所を含む関係機関とも協議のうえ、第一次接触者健診の対象となる患者様を決定し、対象となる患者様に対し2018年8月より患者説明会と健診を実施いたしました。この検査の結果では、11人の方がIGRA検査陽性と判定されました。
IGRA検査は、①活動性結核と潜在性結核感染症(感染のみで発病していない状態)を区別することができず、②陽性を示した場合でも感染時期を判定することができない検査です。IGRA検査結果が陽性の方は、本事象とは無関係に感染している可能性もありますが、これらの方に対しては個別に二次健診を行い、これらの方を含め、患者様の中に発病者がいないことを確認いたしました。IGRA検査結果が陽性の方は、症状がなく他人に感染させることはありませんが、今後、検査結果を踏まえ、結核の発病を予防する治療等を実施してまいります。
また、当該医師との最濃厚接触職員75名を含む全職員2,099人に対する健診の結果も判明し、発病者がいないことを確認いたしました。
対象となった患者様や関係者をはじめ、皆様には、ご心配とご迷惑をおかけすることとなり、心よりお詫び申し上げます。
これまでにも、当院で定期健康診断を受けた場合には、その結果を職員に配布する際、判定内容に応じて再検査・精密検査・医療機関の受診等を行うよう指示しておりました。しかし、本事象を踏まえて、今後は産業医による健康チェックをより徹底し、他病院で健康診断を受診された場合を含めて可及的により多くの職員の健康状態を把握して参ります。
今後、本事象に関連する情報は、適宜、当院ホームページ及び院内掲示にてお知らせいたします。
記
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■これまでの対応と今後の対応
1. 第一次接触者(患者様・職員)健診の実施
(ア) 健診対象者 - ●健診対象の期間(2016年1月18日~2018年7月9日)
- ●濃厚接触患者とハイリスク接触者:374名
- ●最濃厚接触職員:75名
- ●健診方法
・血液検査(結核菌特異的インターフェロン-γ産生能:IGRA)または胸部X線検査、 - ツベルクリン反応検査(小児)
(イ) 健診施行期間
●2018年7月25日から2018年12月(予定)
(ウ) 結果
●患者様、職員に発病者なし。
●結核菌特異的インターフェロン-γ産生能(IGRA)検査陽性(2018年11月12日現在):11名
● IGRA検査陽性患者様については、個別に二次健診・治療等を行っております。
●初回IGRA検査陰性の患者様については、IGRA陽性化する期間が2~3か月間かかる(ウィンドウ期※)ことを勘案し、10月から12月の間に再検査いただくようご案内いたしました。
※結核菌特異的抗原インターフェロンγ産生能試験(Interferon-gamma release assay:以下、IGRA)は、通常、結核菌に曝露されてから陽性化するまで2~3ヶ月間かかると考えられています(この期間をウィンドウ期といいます)。そのため、結核患者との最終接触から3ヶ月以上経過した後、再検査を実施することが推奨されています。
●健診の結果、新たに発病者が発見されたり、複数の潜在性結核感染症患者が発見された場合には、保健所との協議の上、健診対象範囲を拡大することを検討しています。
(エ) 当院の感染対策と職員教育について
●本事象を受け、全職員を対象とした感染対策に関する研修会・講習会を開催いたしました。
●患者様やご家族をはじめ、病院に関わるすべての人たちを感染から守るために「標準予防策(スタンダードプリコーション)」を基本とした感染対策遵守の徹底を、改めて指示いたしました。
●病院職員は、自らが院内感染源とならないため、定期健康診断を年 1 回以上受診し、B 型肝炎、インフルエンザ等の予防接種に努め健康管理に留意することを、改めて周知、徹底しました。 - ●これまでの産業医による健康チェックをより徹底し、職員の健康管理をより厳重に行ってまいります。
今後、本事象に関連する情報は、適宜、当院ホームページにてお知らせいたします。
URL:https://www.nms.ac.jp/hosp/
■問い合わせ先
日本医科大学付属病院
本事象に係る専用連絡窓口:03-5814-6510
平日10:00~16:00(土曜日・休日を除く)