〈2016年 医学部卒業〉 私が大学院で博士号の取得を目指した理由は、基礎研究を通じて視野を広げたいという思いからです。将来的に留学を希望しており、そのためには学位の取得が望ましいと考え、母校である日本医科大学を選びました。 現在、リウマチ・膠原病内科で高齢発症関節リウマチに関する臨床研究と基礎研究を行っています。とくに加齢で増加する高齢発症関節リウマチのリスク因子を同定するゲノム研究に取り組んでおり、世界で初めて後天的な遺伝子変異と高齢発症リウマチの関連を示すことができました。大学院での研究の魅力は、研究仮説を立て、それを検証し、結果を考察する過程にあります。臨床に還元できるような基礎研究の成果を世界で初めて形にするまでの過程が非常に興味深いです。もちろん、研究には多くの苦労も伴います。実験の失敗やデータの解析に時間がかかることが多いですが、その都度、粘り強く取り組むことで乗り越えてきました。まずはこれからの10年間、基礎研究を中心に行い、将来的には、リウマチやゲノムの分野で国際的に活躍できる医師になりたいと考えています。◎臨床研修(初期):卒後2年 ◎専門研修(後期):2年〜5年間 2年〜5年間の専門研修(後期)に入ると、全員が専門分野を持って学びます。この時点で、多くの人が臨床医として自らが所属する診療分野を決定します。 研究の道で自らを研鑽することを望む場合には、専修医の身分のまま大学院生(社会人選抜)として大学院医学研究科の各分野に進学することもできます。研修では、指導医のもとで入院患者さんの診療にあたり、専門医として医療安全への再度の理解と実践をするとともに、多くの患者さんに接して経験を積み、必要な診療知識、手技を身につけていきます。各診療科において豊富な臨床症例数を経験できるほか、日本専門医機構によ39高齢発症関節リウマチのゲノム研究でリスク因子を解明して臨床に還元するり認定された基本領域またはsubspeciality領域の「専門研修プログラム」を用意しており、キャリアパスの具体的表示をしています。さらに、臨床研究、基礎研究が行える体制も備えています。おり、指 導 医 ― 研 修 医 ―Student Doctorの屋根瓦式教育体制が充実しています。学生は先輩の背中を見て学び、研修医は学生を指導することで学びを深めることができます。 2年間で内科24週以上、救急12週以上、外科、小児科、産婦人科、精神科及び地域医療をそれぞれ4週以上研修し、その中で一般外来研修を4週以上行います。2年次には将来のキャリアに応じた診療科を自由に選択して研修を行う期間もあります。また、小児科、産婦人科の専門医を目指す特別プログラムも設けています。研修を通してプライマリ・ケアの基本的な診療能力(態度・技能・知識)を身につけ、チーム医療が実践できる豊かな人間性を備えた医師を育成します。 日本医科大学では、卒前・卒後の一貫性ある医師養成実現に注力して医学部医学科を卒業して医師国家試験に合格すると、臨床医を目指して卒後臨床研修に進みます。卒後臨床研修は、医学及び医療の果たすべき社会的役割を認識しつつ、多岐にわたる診療の能力を育みます。プライマリ・ケアの基本的な診療能力を身につける将来の進路を見据えて専門知識と技術・経験を蓄積する臨床研修(初期)高度先端医療の現場で幅広い経験を積み、診察能力と医師としての人間性を育む専門研修(後期)日本医科大学大学院 アレルギー膠原病内科学分野 内山竣介充実した卒後教育が未来を開く卒後臨床研修GRADUATES
元のページ ../index.html#40