日本医科大学大学案内2026
34/72

CURRICULUMS TUDE NT S VOI CES TUDE NT S VOI CE 「消化器学」では、研究配属で食道アカラシアについて学んでいたこともあり、事前に臨床についての知識もある程度持った上で学ぶことができました。講義ではそれ以外の消化器疾患についても詳細に知ることができ、単に疾患の知識だけでなく、実臨床を意識しながら学ぶことができました。疾患の理解が深まり、実際の臨床現場での応用力も向上したと感じています。「神経学」では、疾患を理解する上で神経系のメカニズムについての理解が必要でしたが、生理学や神経解剖学で学んでいた知識を活かすことで、深く理解することができました。 また、疾患だけを理解するのではなく、実臨床ではどのように診断され、治療していくのか、臨床現場の先生方から話を聞いて理解できました。これから始まる臨床実習に向けて、これまでに学んだことをさらに深め、実習においても十分に生かせるような学修を続けていきたいと思います。 特に印象深かったのは4年次の「麻酔」の授業です。3年次までの基礎医学では生体の機能や構造の知識を学んでいましたが、麻酔で「痛み」という概念を学んだとき、医学は人を主体に、人のためにあるのだということを改めて実感しました。「目の前の人の苦しみや声に応える」という臨床医学の責任の重さと誠実に向き合うことができました。「救急」の授業での「救急医学において、無知は罪である」という言葉も印象に残っており、こうした責任についても学べるのが累積型プログラムの臨床医学だと思います。 臨床医学の先生方は教育者であると同時に臨床医・研究者であり、そうした先生方の言葉の中で興味を持ったことを、論文などの文献で調べています。これからも「知識を得ることの責任」を積極的に引き受け、人の人生に寄り添える医師となるべく成長していきたいと思います。33 皮膚は総面積が1.6m2で総体重の16%を占める最大の臓器とも言えます。皮膚にはバリア機能や保湿などに関する角化細胞以外にも様々な免疫細胞が含まれており、皮膚は外界からの防御の最前線で活躍しています。皮膚科は皮膚内科と皮膚外科の両方の側面を持っており、他に皮膚病理の診断にも関与し、皮膚に関することは診断から外科的治療に至るまで一貫して皮膚科で行います。また、皮膚は目に見える臓器なので、医師になり様々な診療科に進んだ後も、皮膚疾患に遭遇する機会は多いと思います。皮膚に関する基本的な知識を、是非、このコース講義でしっかりと身に付けて欲しいと思います。 具体的には、皮膚診断学・治療学、皮膚病理学、炎症性疾患(湿疹・皮膚炎、蕁麻疹、紅斑症)、角化症、水疱症・膿疱症、色素異常症、皮膚感染症(細菌、真菌、ウイルス)、皮膚腫瘍(悪性、良性)、付属器疾患(毛、脂腺)、褥瘡、物理化学的損傷、光と皮膚、小児皮膚などがあり、多岐にわたります。皮膚の奥深さを楽しみながら学んで頂きたいと思います。基礎から臨床医学へ、理解が深まる楽しさを感じます臨床医学を学び、患者さんの苦しみに応える責任に向きあいました皮膚将来、どの診療科を専門に選んだとしても遭遇することが多い皮膚疾患の奥深さを理解するPOINT皮膚科は内科と外科の両側面があるメッセージ動画HPで公開中!主要科目紹介担当教員 佐伯 秀久 大学院教授1991年東京大学医学部卒業。東京大学皮膚科入局。1997年東京大学医学博士。1997年〜2000年米国国立衛生研究所(NIH)皮膚科研究員。2001年東京大学皮膚科講師。2011年東京慈恵会医科大学皮膚科准教授。2014年日本医科大学皮膚粘膜病態学分野大学院教授。医学部 医学科4年 田熊悠基医学部 医学科5年 栗原万輝02 累積型プログラム

元のページ  ../index.html#34

このブックを見る