日本医科大学大学案内2026
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CURRICULUMS TUDE NT S VOICE Early clinical exposureでは、私は付属病院の小児科を見学し、初めて実際に患者さんとコミュニケーションをとる経験をしました。そのことが、講義で学んだ診療技術や患者さんとの関係性の大切さを早期から実感することにつながりました。実習の前には関連疾患を予習し、病棟での医師の所作や治療の流れについて学びました。とくに看護師と患者さんの日常的なコミュニケーションの重要性に着目し、自分でも実践できるように努力しました。これにより、患者さんの表情や声色から多くの情報を読み取る姿勢が身についたと思います。 一般的な医療知識だけでなく、人間性も育むのが医学部の学びです。今後は、診療技術だけでなく、early clinical exposureで学んだ対人スキルや共感力を学生生活の中でさらに磨きたいと思います。将来的にはこれらの経験を活かして、患者さんに寄り添った医療を提供できる医師を目指します。28 国際的なコミュニケーションの場面に対応できる医師・医学研究者・医療従事者となるために、国際社会及び異文化に関する幅広い見識を身につけ、多様な状況に即した実践的な言語技能の修得を目指します。1年生から4年生までReading、Writing、Listening、Speakingのそれぞれの実践的技能を訓練しながら、総合的な英語運用能力を高められるようカリキュラムを編成しています。 授業は主として英語で行われ、レベル分けテストをもとに1クラス15〜30名前後のクラスで実施されます。特にListening/Speakingのための授業は、約15名の少人数クラスで行われ、学生間で活発に発言がなされる機会となっています。他にも、英語でのアカデミック・ライティングやプレゼンテーション技術、語源を視野に入れた医学用語、英語で研究論文の執筆方法、等を学ぶ授業を開講しています。また、継続的なリーディング指導や、医師と患者間の医療面接に関わる実践的な英語指導なども行います。 医師には生涯にわたり医学の進歩に関心を持ち、最新の知識と技術を修得する努力が求められます。そのためには、卒業後は自分自身で問題解決を行い、学習を継続する能力が必要です。3年次に行われる「科学的探究」では、基礎科学・基礎医学・臨床医学の研究室や、連携大学の理工学系研究室に配属され、8週間(旧カリキュラムでは3週間)にわたって実際の研究に携わります。これにより、未解決の課題を論理的、批判的思考をもって解決する能力を養います。 また研究を通じて、生命現象や病態を理論的に考察する態度を身につけ、医学研究への意欲を高め、国際レベルで活躍し、将来の日本医科大学を担うような人材を育成します。 医学生、さらに医師になってからも、医学を学ぶ上で、能動的に学び続ける姿勢が必要です。医学基盤プログラムは縦断型プログラムの根幹となるものですが、そのなかの「医学統合プログラム1」では、そのような姿勢を最初に学ぶ機会となります。 この科目では、小グループでのチュートリアル形式で、学生自らが学修すべき項目を抽出し、それらを自ら調査・理解し、さらにグループ内で討論しながら知識を獲得する「問題基盤型学習」による学び方をしっかりと身につけます。通常の講義とは違い、自ら計画して調べ、知識を得る学修法を通して、より深い理解が得られることを体得してもらいます。外国語教育医学基盤プログラム(医学統合プログラム1)診療技術と共感力を併せもった医師になりたい科学的探究少人数クラスの授業で、国際的なコミュニケーションに対応できる実践的英語力を身につけるPOINT医学部 医学科2年 田澤優喜POINT能動的に学ぶ姿勢を身につける少人数クラスの授業で実践的な技能を修得縦断型プログラム主要科目紹介担当教員 Kirk Steven 教授1990年米国 Massachusetts Institute of Technology 言語学・哲学科卒業。2002年米国University of Washington修士(英語教授法)取得、 2016年英国University of Nottinghamにて博士(応用言語学)取得。2012年東京大学教養学部特任講師、2017年日本医科大学外国語准教授を経て2023年日本医科大学外国語教授。01

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