Nippon Medical School Brochure 2025
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 2年間の初期臨床研修を済生会横浜市東部病院で行い、救急医療の現場で様々な経験を積んだ後、救急医学領域においては日本トップレベルの母校で、専門医資格を取得するために3年間の後期専門研修中です。日本医科大学は、日本で最初の救命救急センターとして伝統を守りながら、最新鋭の施設・設備が充実しており、最先端かつハイレベルな医療を展開し、ダブルライセンスの取得や様々な分野で活躍している先輩が多いところにも魅力を感じています。 初期臨床研修医のときよりも、患者さんやご家族に対して説明・インフォームドコンセントをする機会が増え、それをより良く行うことに難しさとやりがいを感じています。患者さん・ご家族の思いにしっかり寄り添い、医師として人として誠実に関わるよう心がけています。救急医療という厳しい現場だからこそ、患者さん・ご家族に安心と信頼を与えながら、確実な技術と知識に裏打ちされた医療が提供できるよう、日々学び続け研鑽に努めていきたいと思います。日々の業務は多忙を極め、思うようにいかないことも多くありますが、心身が健康でいられるようリカバリーや余暇も意識して取り組んでいます。 麻酔科医として日々手術麻酔に携わっていく中では、一分一秒を争うスピード感のある判断力が求められます。これに対して、大学院で行う基礎研究は異なる場に見えましたが、両者は関連しているのだろうと思い、身を置いてそれを知りたいという想いから大学院進学を決めました。臨床で経験を積んでいくことは大切ですが、基礎研究という土台となり、自分の核となるものを持ちたかったからです。 大学院では、■痛治療が専門の麻酔科医としての臨床的な視点を活かして、治療に難渋する神経障害性■痛の新規治療法の開発に取り組みました。小児期の神経障害性■痛の抵抗性に焦点を当て、神経障害性■痛モデルを用いた後根神経節の遺伝子発現の変化を解析し、気管支喘息などのアレルギー性疾患において着目されていたサイトカインが神経障害性■痛に関与していることを明らかにしました。その成果は第71回日本麻酔科学会年次学術集会で発表し、最優秀演題賞に選ばれました。大学院修了時は、大学院研究賞を受賞しました。育児休暇からの復職後も、しあわせキャリア支援センターの研究支援員配置制度の助成を受けながら、研究活動を継続しています。43済生学舎の意志を受け継ぐ卒業生たち専攻医大学院救命救急医への専門研修に進み、緊迫した現場の中でも誠実に、心に寄り添える医師を目指しています二瓶 叶大日本医科大学付属病院 救命救急科 専攻医〈2022年 卒業〉麻酔科医としての臨床的な視点から神経障害性■痛の新規治療法を研究しキャリアの核となるものを得ました井野 佑佳日本医科大学大学院 ■痛制御麻酔科学分野 [ 2024年大学院修了 ]日本医科大学付属病院 麻酔科・ペインクリニック 病院講師 〈2015年卒業〉MESSAGEOB/OG Voice

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