1987年卒業、日本医科大学臨床病理学講座入局。1995年大学院修了、米国国立衛生研究所留学。2003年日本医科大学第四内科医局長。2004年同講師。2011年日本医科大学武蔵小杉病院呼吸器内科部長。2017年東京臨海病院副院長。2021年より現職。1986年卒業。日本医科大学第三内科(初期研修)。1988年金沢大学医学部第三内科。1994年金沢大学内科系専攻 博士課程修了。2013年金沢大学大学院 医薬保健学総合研究科保健学系 病態検査学 教授 2016年Boston University School of Medicine, Department of Pathology and Laboratory。2021年日本医 科大学血液内科 客員教授 併任。2023年より現職。1999年卒業。日本医科大学付属病院第三内科入局、2004年早稲田大学大学院法務研究科入学、2007年修了、弁護士登録、2009年国立がんセンターがん対策情報センター知的財産管理官・研修専門官、2012年より現職。2015年4月より日本医科大学客員教授。42人に自分の考えや方針を理解してもらうことが病院経営においては、重要なポイントになります 私が学部を卒業して入局したころの呼吸器内科は、臨床病理科という診療科でした。診療・研究内容は、今の腫瘍内科のようなものです。小さな教室でしたが、そのときのスタッフ(先輩)に新しいがん治療を一緒にやろうと言われ、これだと思い入局を決めたのです。現在は病院長として病院経営にあたっていますが、多くの人に自分の考えや病院の方針を伝え理解してもらうことは、さまざまな伝達手段が発達している現代でも非常に難しいと感じています。基本は繰り返し根気強く伝えること。また1回では半分も伝わらないことを予め覚悟することも大切です。 母校の日本医科大学でよかったことは、同級生・先輩・後輩との素晴らしい出会いがあり、長くつきあうことができたことです。また、研究を大切にする大学なので、基礎研究をした経験が適切な治療を患者さんに届けられることにつながっています。日本医科大学は長い伝統等歴史を誇りますが、現在も学生や教員の多様性が魅力になっています。また、文京区の下町にあることから、気取らない親しみやすさも魅力となっています。同じ地域で長期間診療にあたることで、その患者さんやご家族から得られる信頼と感謝が大きな喜びです 私が医師になったのは、女性が生涯続ける職業として最適であると考えたからです。私の専門は遺伝性血栓性素因という極めて特殊な疾患であるため、全国でも専門家がほとんどいません。これまで専門家でない医師の診療を受けていた患者さんが初めて私の外来を受診し、自分の病気について詳細に説明を受けることができて非常に喜んでいただいたときは「医師になって良かった」と心から感じます。 地域で医療を支えていると一人ひとりの患者さんと直接触れ、健康状態が改善するのを目の当たりにすることで大きな満足感が得られます。長期間にわたり同じ地域で働くことで、患者さんやその家族との深い絆が築かれ、信頼と感謝を受けることもできます。地域医療は多様な病状や患者さんに対応するため幅広い医療スキルが求められますが、それによって自身のスキルを継続的に向上させられるのも魅力です。 医学の道は挑戦と努力の連続ですが、その先には多くの喜びとやりがいがあります。日本医科大学は、仲間と支え合いながら学ぶことができ、実践を通じて成長することができる大学です。未来の医療を担う皆さんの健闘を心から祈っています。法律がわからない医療者も、医療がわからない法律家も、想いは一つ 日本医科大学を卒業した1999年は、都立広尾病院の薬剤取り違え事件や横浜市立大学病院での患者さん取り違え事件など、世間を揺るがす医療事故が相次いで起きてしまった年でした。メディアのバッシングが加熱し、司法介入も進み、医師と患者さんとの信頼関係が崩れつつありました。その状況をどうにかしたいけれど、そもそも医師法を学んでいないから何が「適法」で何が「違法」なのかさえわからない……。そこで、ロースクールへの進学を決意したのです。法律を学ぶうちに、法律がわからない医療者と、医療現場がわからない法律家、どちらも医療現場をよりよくしたいという目標は同じなのにすれ違っていることがわかりました。そこで、国立がんセンターに勤務して行政にも働きかけたり、弁護士として医療訴訟を扱ったりして、自分なりに医療と法律、医師と患者さんとの関係を広く深く見つめてきました。今は、そうした体験を通して学んできたことを「医療法学」として体系化し、後進に伝えることに取り組んでいます。これから医療者にならんとしている皆さんも、ぜひ医師法をはじめとした法知識を身につけてください。それが患者さんとの信頼関係構築にも役立ちます。GRADUATES臼杵 二郎日本私立学校振興・共済事業団 東京臨海病院 病院長〈1987年卒業〉森下 英理子金沢大学 学長補佐日本医科大学血液内科 客員教授 〈1986年卒業〉大磯 義一郎浜松医科大学 医学部 法学教授
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