3 大学案内をご覧になっている本学志願者のみなさんが専門研修を終えようとする2035年は、まさにAI全盛の時代になることが容易に想像されます。特に私が専門とする内科学領域においては、多くの診療業務(問診から診断、治療方針の選定など)をAIが行うようになり、多くの患者さんが今よりも格段に高度な治療をどの医療機関でも画一的に享受できる素晴らしい時代になります。医療が普遍的になる新テクノロジー時代は、裏を返せば、所謂、世界的名医はいなくなるのかもしれません。 ただ、みなさん想像してください。人生の一大事においてAIからの提案は心に届くでしょうか。どれだけテクノロジーが進化しても、最終的にその技術を駆使し、患者さんに寄り添えるのは人間なのです。そもそも病院とは無縁でありたいものですが、「あの先生に出会えて良かった」と思われる医師、患者さんにとってオンリーワンとなる人間力豊かな名医が今まで以上に望まれる時代になると確信しております。内分泌代謝・腎臓内科学分野岩部真人大学院教授新たに入学した医学生が医師国家試験に合格して医師としての第一歩を踏み出すのは6年後。2年間の初期臨床研修、3年間以上の専門研修を修了して「専門医」として歩み始めたとき、2040年は目前です。そのときの医療や医師のあり方がどのように変わっているかその先に続くキャリアの中で医療はどのように変わるのかいまから想像して、どのように何を学ぶべきなのか考えてください。日本医科大学は、あなたが10年後の目標に到達するための最先端の医学教育で、医師になるという決意にこたえます。新テクノロジー時代に 求められるのは人間力新テクノロジー時代の医学部教育Prologue2035年の医師像を予言する
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