担当教員横堀 將司 大学院教授2005年日本医科大学大学院医学研究科修了。1999年日本医科大学付属病院高度救命救急センター。2000年国立病院機構東京災害医療センター脳神経外科。2001年武蔵野赤十字病院脳神経外科。2003年日本医科大学付属病院高度救命救急センター。2010年米国マイアミ大学医学部脳神経外科客員研究員。2020年日本医科大学大学院教授。31 病棟医の指導のもとに、新規入院患者さんを受け持ち、問診、身体所見の取得、心電図やレントゲン写真などの基本となる検査の読影と解釈についてトレーニングしてもらいます。そこから問題リストを作成し、診断・検査計画、そして治療計画を立案してもらい内科一般の基礎から循環器まで幅広く学んでもらうことが目標です。 また、担当する患者さんを中心に検査、治療などには介助あるいは見学の形で参加してもらいます。朝の入院時カンファレスや教授の病棟回診時では、自らが担当した症例のプレゼンテーションやディスカッションを行います。 総合診療科での実習では、実際に患者さんに問診をしてカルテを書くという経験をしました。最初は緊張しましたが、指導医の先生方が丁寧にサポートしてくださったおかげで、自分なりに患者さんに寄り添いながら話を聞くことができるようになったと思います。 臨床実習を受けるにあたって大切にしたのは、大学の講義動画を見返すなどの事前学習です。背景となる知識があることで、患者さんの困っていることを予想しながら話を聞くことができたり、悩みをより深く理解できたりするからです。信頼される医師になるためには、コミュニケーション能力はもちろんのこと、土台となる深い知識が必要であると臨床実習で強く実感しました。自分の専門領域にとらわれない幅広い知識を持ち、患者さんの悩みをもっと深く理解できるよう、日々努力していきたいです。 本学の救急医学の特徴は、患者さんの初期診療から根治手術、そして集中治療までのトータルケアを行う、いわゆる自己完結型救急医療にあります。多発外傷や広範囲熱傷、脳卒中、急性循環不全など、救命処置や集中治療が必要な重症患者さんに対し、初期治療からリハビリテーションまで一貫した診療を行います。 この中でバイタルサインのチェック、血液ガス分析、各種画像診断、呼吸・循環管理など、患者さんのいのちをつなぐ基本知識と技能を修得します。また学生は医療チームで働く多職種とのかかわりのなかで、将来のチームリーダーとなるべく倫理観や態度を学びます。 座学ではシミュレータやバーチャルリアリティなど、多彩な教育ツールを活用し、リアリティのある授業を展開します。さらにドクターカー同乗実習を通して、救急現場からのシームレスな診療を体験することで、教科書では学べない救急医療の緊迫感を体感します。国内外への災害医療や緊急医療支援などの講義や実習を通して、本学の学是である「克己殉公」の精神、病める人々に尽くす心を涵養します。 内分泌学、糖尿病学、代謝学は、全身の恒常性維持機構(体液の量・電解質、血糖などの栄養素、血圧・血流、体温、成長、エネルギー代謝、性周期などの維持機構)を明らかにする学問であり、これらの学問領域を一元的に学ぶことによって、生命体をさらに統合的に、広く深く理解することができます。 さらに、恒常性維持機構の破綻によって生じる疾患、すなわち肥満症、糖尿病、内分泌疾患、高血圧症、脂質異常症に対する診療だけでなく、心血管疾患の一次・二次予防や、生活習慣病に関連する癌の早期発見など、広範な診療能力の習得を目指します。また、これら慢性疾患に対する診療を通じて、患者さんに常に寄り添うヒューマニティーズ教育を実践しています。CURRICULUM救急医学STUDENTS VOICE循環器内科学信頼が得られる、深い知識を身につけていきます医学部 医学科5年 吉野元人内分泌糖尿病代謝内科学日本医科大学の救命救急科は自己完結型POINT主要科目紹介救急患者の入院から治療までの流れを体験し、病態の理解・臨床技術を深める03臨床実習
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