Nippon Medical School Brochure 2025
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担当教員佐伯 秀久 大学院教授1991年東京大学医学部卒業。東京大学皮膚科入局。1997年東京大学医学博士。1997年〜2000年米国国立衛生研究所(NIH)皮膚科研究員。2001年東京大学皮膚科講師。2011年東京慈恵会医科大学皮膚科准教授。2014年日本医科大学皮膚粘膜病態学分野大学院教授。 2年次の「肉眼解剖実習」では、それまで教科書で見てイメージすることしかできていなかったヒトの構造を実際に目で見て手で触ることで、より正しい理解に上書きすることができました。 3年次の「臨床医学」の講義では、臨床の現場で活躍している先生方から本当に役立つ知識や生の体験談を聞き、より深く理解できました。理解が浅いままに覚えたことはすぐに忘れてしまい、覚えた知識も使うことができません。自分の言葉で説明できるようになるまで、さまざまな本を読んだり、先生に質問したりして、なるべく深く理解するように努めました。2年次に学んだ生理学や解剖学の基本的な原理を使って、それぞれの病気が何の破綻によるものなのか、自分の頭で考えるようになったことが、基礎医学を真剣に勉強してよかったと思うところです。 3年次の秋から始まった臨床医学の授業はとにかく知識量が膨大でしたが、それまでの基礎医学の授業で積み重ねてきた「人体の正常」に関する知識が、臨床医学で扱う「人体の異常」を理解する上で重要な足場になることを実感しました。日々増えゆく膨大な医学知識を全て頭の中に留めておくことは非現実的です。実際には、知識が抜け落ちていることを自覚し、その度に適切な文献にあたって補完できることが重要になります。 さらに、知識が足りていないことに気づくには、一度はその知識を修得している必要があるので、私は日々の授業を深掘りし、その内容を一旦網羅することを意識して学修を進めてきました。その際に、本学で推し進められているe-Learningでは、授業で理解できなかった部分を繰り返し視聴することができるため、大変役に立ちました。29 皮膚は総面積が1.6m2で総体重の16%を占める最大の臓器とも言えます。皮膚にはバリア機能や保湿などに関する角化細胞以外にも様々な免疫細胞が含まれており、皮膚は外界からの防御の最前線で活躍しています。皮膚科は皮膚内科と皮膚外科の両方の側面を持っており、他に皮膚病理の診断にも関与し、皮膚に関することは診断から外科的治療に至るまで一貫して皮膚科で行います。また、皮膚は目に見える臓器なので、医師になり様々な診療科に進んだ後も、皮膚疾患に遭遇する機会は多いと思います。皮膚に関する基本的な知識を、是非、このコース講義でしっかりと身に付けて欲しいと思います。 具体的には、皮膚診断学・治療学、皮膚病理学、炎症性疾患(湿疹・皮膚炎、蕁麻疹、紅斑症)、角化症、水疱症・膿疱症、色素異常症、皮膚感染症(細菌、真菌、ウイルス)、皮膚腫瘍(悪性、良性)、付属器疾患(毛、脂腺)、褥瘡、物理化学的損傷、光と皮膚、小児皮膚などがあり、多岐にわたります。皮膚の奥深さを楽しみながら学んで頂きたいと思います。CURRICULUM皮膚STUDENTS VOICESTUDENTS VOICE知識が「ある」ことと、「使える」ことの違いを知りました日々の授業を深掘りし、内容を一旦網羅して学修します医学部 医学科5年 石田 歩皮膚科は内科と外科の両側面があるPOINT主要科目紹介医学部 医学科4年 橋本悠史メッセージ動画HPで公開中!将来、どの診療科を専門に選んだとしても遭遇することが多い皮膚疾患の奥深さを理解する02累積型プログラム

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