Nippon Medical School Brochure 2025
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担当教員森田 林平 大学院教授1995年奈良県立医科大学医学部卒業。2002年京都大学大学院医学研究科修了、2003年京都大学医学研究科先端領域融合医学研究機構 助手(特任)、2005年米国Baylor Institute for Immunology Research 博士研究員、2008年米国Yale大学 博士研究員、2009年〜2017年慶應義塾大学医学部 微生物学・免疫学 助教〜准教授、2017年国際医療福祉大学医学部 免疫学 教授、2019年日本医科大学微生物学・免疫学分野 大学院教授。 内分泌・代謝学の授業で学んだことは、単に事実を覚えるだけではなく、その背後にある仕組みを理解することが重要であるということです。病気の確定診断材料となる負荷試験を学習した際、ホルモンの作用メカニズムに基づいて設計されていることを理解するまでに時間はかかりましたが、先生が丁寧に解説してくださるおかげで、知識がしっかりと定着したと感じています。 私はどの授業でも事前に予習を行い、理解が難しいと感じる部分を予め特定しておきます。ほとんどの授業がe-Learningで提供されているため、授業中に理解が追いつかない場合でも、難しい部分を何度も動画を見直して理解を深めています。この学習方法により、自分で考える力が養われたと実感しています。また、このように、自分で「なぜ?」と問いかけながら勉強することで試験の応用問題にも対応できるようになりました。28 本科目では、生体防御の主役である免疫システムの概要を個体・細胞・分子と様々なレベルで学修します。免疫システムは、進化の過程で微生物との攻防を繰り返すことにより高度に進化してきました。近年の臓器移植の進展により、免疫システムの本質とは「自己と非自己を見分けて、非自己を排除する仕組み」であることが明らかとなりました。また、過剰な免疫反応を抑制する仕組みも備わっており、このシステムの不全は自己免疫疾患やアレルギーの発症につながります。現在、研究の進展により、新たな生体防御システムの概念や画期的ながん治療法が発見されています。 講義では、免疫学の基礎概念から精巧な非自己の認識メカニズムやがん免疫学について学びます。更に自己免疫疾患やアレルギーの専門医による講義も取り入れ、生体防御システムの臨床的意義を深く掘り下げます。上記の疾患に加え、日常生活で遭遇するワクチン接種やウイルス・細菌感染の際、私たちの体内で何が起きているのかに興味を持ち理解に努めることを望んでいます。 呼吸器病学では、疾患の発生機序に関する十分な理解とともに、それぞれの疾患がいかに患者さんに作用し、症状を発現させるかを深く分析する力が求められています。このような視点に立脚し、呼吸器病学を理解するよう努めます。 呼吸器の構造(呼吸器生理学や病理学)、診断・治療に関する知識を深めながら、個々の疾患を理解し、呼吸器病学を体系的に捉えられる力を会得することが目標です。免疫と生体防御神経STUDENTS VOICE病歴聴取、一般診療などの技術も学ぶPOINT呼吸器「免疫」とは自己と非自己を見分けることPOINT主要科目紹介 神経系の構造や機能について知り、その異常によって生じる症状や徴候を学び、またその異常を引き起こす病因についての知識の修得が目標です。病因は、外傷、血管障害、腫瘍、感染、中毒、変性、脱髄、アレルギー、内分泌及び代謝障害など多種多様ですが、問診による病歴聴取、一般診療、臨床検査、神経学的検査及び神経系の補助検査によって病因診断をつける技術を学び修得します。同時に様々な神経疾患に対する治療についての知識、基礎的技術を習得します。 また神経疾患を有する患者さんに対応する診療態度の学び、未知の情報を検索し探求する学習態度を身につけます。自分に「なぜ?」と問いかけて、応用力を養いました医学部 医学科4年 鈴木里欧生体防御システムを分子から個体レベルまで理解し、疾患の発症機序と治療戦略を学ぶ

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