26 数学・スポーツ科学など、直接には医学教育に関連しないものの、将来、医師となる人間に必要な教養を身につけるための科目が開講されています。 生命科学の基礎となる理科(物理・化学・生物)のうち、入学試験で選択しなかった科目を学ぶことで、高校と大学の間の学修を補完し、橋渡しをします。◎物理:物理学の基本的な考え方とその医学や人工知能との関連に ついて学びます。◎化学:医学の基礎をなす生命現象を化学の側面から理解するため の科目です。◎生物:細胞生物学、発生生物学の分野を中心とした講義・実習により、 医学の基盤となる生物学の修得を目指します。◎ヒトの進化:ヒトの進化を知り、比較生物学的な見地からヒトのつくり とはたらきを学びます。◎生命の最小単位(細胞):細胞の構造と機能を理解するとともに、遺 伝子からタンパク質への流れに基づく生命現象を学び、遺伝子工学 の手法と応用やヒトゲノムの解析を理解します。◎組織・各臓器の構成、機能と位置関係:人体を構成する組織・臓器・ 器官系の構造と機能を理解します。◎個体の発生:個体と器官が形成される発生過程を理解します。◎個体の調節機構とホメオスタシス:生体の恒常性を維持するための 情報伝達と生体防御の機序を理解します。 生体物質の代謝:生体物質の代謝の動態を理解します。◎生体と微生物:細菌、真菌、ウイルス、寄生虫の基本的性状、病原性 とそれによって生じる病態を理解します。◎免疫と生体防御:免疫系の機構を分子レベルで理解し、病原体に対 する免疫反応、主な自己免疫疾患、アレルギー、先天性及び後天性 免疫不全症候群(acquiredimmunedeficiencysyndrome〈AIDS〉)、 臓器移植、がん細胞に対する免疫系の反応を理解します。◎薬物・放射線と生体:薬物・毒物の生体への作用について、個体・細 胞・分子のレベルにおける作用機序と、生体と薬物分子との相互作 用を理解し、的確な薬物療法を行うための基本的な考え方を学びま す。また、医学・医療の分野に広く応用されている放射線や電磁波な どの生体への作用や応用を学びます。 器官の正常と異常・診断と治療は、共用試験(CBT、臨床実習前OSCE)前に行う累積型プログラムの総まとめのような位置づけとして、臨床医学を統合的に学びます。 具体的には、循環器、神経、呼吸器、感染症、腫瘍、放射線、消化器、内分泌・代謝、腎・泌尿器、血液、アレルギー・膠原病、生殖機能・妊娠と分娩・乳房、成長と発達・加齢と老化・遺伝医療、運動・感覚・リハビリテーション、麻酔、皮膚、眼科、精神医学、頭頸部・耳鼻咽喉科などからなっています。 個体の反応 器官の正常と異常・診断と治療CURRICULUM 教養教育 生命科学基礎 生命科学概論(物理・化学・生物) 個体の構成と機能専門知識の修得を積み重ね、世界で活躍できる人材を育成。累積型プログラム
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