●臨床医によるAI講義本学におけるAIリテラシー教育の特色は、臨床医によるAIに関する講義が含まれるということです。2023年度は救急医学、放射線医学、泌尿器科学の講師が講義を行いました。《AIと救急医療》《画像診断におけるAI活用》《医療における様々なAI化》COVID-19の患者の振り分けや,ECMOなどの取り外しの判定にどのように機械学習を使うかということについて理解します。◀救急医学 五十嵐 豊 講師企業との共同研究による医療画像AIの開発(放射線によるブラーをどのように取り除くか)と、その医療器具としての様々な問題点について紹介します。◀放射線医学 町田 幹 講師前立腺がんの大量のデータの取得に関すること、説明可能なAI、マルチモーダルなAIの利用、ロボット医療などについて学びます。◀泌尿器科学 赤塚 純 准教授 1年次の人工知能概論の授業では、AIの基本的な知識から始まり、ウイルスや生体分子の研究、画像診断、救急医療などの医学的なトピック、芸術分野へのAIの応用まで、多岐にわたる内容を学ぶことができます。 私自身、最初は「AIは工学の領域」という先入観を持っていて、医学生がAIを学ぶ意義を疑問に思っていました。しかし、自分が医師になるときには、AIと協働できるかどうかが医療の質に大きな影響を与える時代が来ること、医師を目指す者としてAIについて学ぶ責任があることを理解するきっかけとなりました。ChatGPTやPythonを使用した実習を通じて、AIの思考プロセスに触れ、「AIの思考法」を学び、AIの限界をより本質的に理解することができました。これらの学びが、将来的にAIを適切かつ効果的に活用するためのヒントとなりそうです。 少人数でグループ学習を行うSGL(現:医学統合プログラム)は、私の「学ぶ姿勢」を変えた授業です。与えられたテーマをもとに何を学ぶべきか調べ、各自が課題を持ち帰って調査を行い、ディスカッションを重ねて成果を発表します。この授業をとおして膨大な情報の中から重要な情報を取捨選択したり、相手に調査内容をわかりやすく伝えたりする力が身につきました。 同じグループの学生の姿勢にも刺激を受けました。自ら学修すべき点を抽出して、調査・考察をするために、今までの講義や実習で学んできたことを結び付けながら体系的に考える力もつきました。これにより、臨床現場での実習の際にも、講義での知識を生かして学習をするようにしています。自主的な学びの姿勢をさらに発展させ、日進月歩の医療に対して生涯真■に学び続ける医師をめざしたいです。25 数理・データサイエンス・AI教育センターに属する教員が1年生に対してAIリテラシー教育を行います。2023年度の内容としては以下になります。 前半は座学によるAIに関する基本的な内容の講義を行い(臨床医による医療現場での実際のAI利活用の講義を含みます)、後半はコンピュータを用いてPythonのプログラミングの実習を行います。 実習の課題としては医学的なデータの解析が中心となります。実習に関してはティーチングアシスタントによる個別の指導が行われ、コンピュータの操作に不慣れな学生にも対応できるようになっています。この授業を踏まえて、2年次、3年次にもデータサイエンスに関する進んだ授業を提供します。また3年次の科学的探究という授業では、連携している早稲田大学や東京理科大学においてより深くAIについて学ぶことも可能です。CURRICULUM人工知能概論STUDENTS VOICESTUDENTS VOICE縦断型プログラムAIとの協働が医療の質を高くすることを学びました医学部 医学科2年 岡野穂佳SGL(現:医学統合プログラム)で自主的に学ぶ姿勢と、体系的に考える力がつきました医学部 医学科3年 近澤志帆メッセージ動画HPで公開中!01
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